大公開!(序章)
以前よりお伝えしていました、八千代町の家の公開準備が整いましたのでこれから数回に分けて公開して参ります。
(序章)出会い
2003年9月残暑厳しい折、御昼過ぎにふと、事務所を訪ねて頂き、「増改築を考えているので一度相談にのって欲しい」と言う事で、いらっしゃった事から始まった今回の住まいづくり。ちょうどその頃、「大きな屋根に守られて」(写真)と名付けた住まいが着工、更に「陽だまりで繋ぎました」(夜景写真)と名付けた全面リフォームが控え、おまけに講師業も兼務していた時期でとても今すぐ出来ますと言える状態ではありませんでしたので「急がれますか?」と聞いたと思います。(幸いにして時間的な余裕はあるとの事でしたので、理由を説明してスローペースで事は進んで行きました。)
現地は機能を失った用途の違う、蔵や納屋、使われなくなった離れなどの建物群と母屋との中を取り持つように掛け渡された塩ビの波板屋根と言う構成でした。これらの建物群を取り壊し、持ち山にある杉や桧を少しでも使って住まいを考えて欲しいと言う要望を頂きましたが、その数量がはっきりと確定できない事、幹周りも細く、構造材として使用するには未成熟な事などから結局、板材として使用する方向で計画を進めました。また母屋は築年数が古い割には、鉄骨と木造のハイブリッドな構造となっており、尚且つ増築して建物を引っ付ける側が鉄骨であるが故に、構造体同士は完全に繋ぐ事無くエクスパンションの状態で少し空けていす。
プランニングは御両親のための多目的部屋を一番日当りのいい南側に配置、そこに続く寝室、トイレや洗面などの水周りで構成され、一部改修する事となる母屋のLDK空間の改修前は主に天窓と北側のみの開口となっていたため、改修後は以前の天窓は生かしたまま東に中庭を配置させ光や風がニ方向から通る空間へ生まれ変わりました。