兵庫、京都、大阪で誠実に、丁寧に木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所

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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

オフレコ

本日も御訪問有難う御座います。

以前振動実験を見学してきましたと言う記事をこちらで紹介しましたが、その件についてのオフレコを入手しました。

今回、私が見に行ったのは在来軸組工法による築30年程度の一般家屋ですが、その数週間前に実は同所にて伝統木造家屋(ここでは何が在来で何が伝統工法かと言う定義ははっきりしていませんが)の振動実験も行われていました。

実験の主体は防災科学技術研究所と言うことですが実はこれチームが違うのだそうで、伝統家屋は京都のチームが、在来家屋は東京のチームが執り行ったようで、ごく簡単に表現すると東京では建物が倒壊するまで揺らすと言うのが今は流行っているそうです。

で、実験の結果は同じような揺らし方をして伝統家屋が残り、在来家屋が潰れたように見えていますが実は伝統家屋は潰さないように揺らしたとの事です。この内容についてはeディフェンスのホームページを見れば分かります。またこのホームページでは両者の振動実験の様子を映像でダウンロードして見ることも出来ます。

ですから単純にこれらの結果を比較して伝統工法は強かったと言うのは間違いであると言う事を認識しておかなければいけません。

よくある話ですが、○○寺や△△神社などの伝統的な建物は何百年も建ち続けていると言った住まいと寺社仏閣を同じ土俵に並べて比較する話、基本的には違う話と思って頂かないといけないと思いますし、何もしないで、建ち続けている訳ではないと言う事、宮大工が偉くて家大工はそうではないと言う誤解された神話、このあたりの話を始めると終わりが無く非常に疲れちゃいますので、あまり首を突っ込むつもりはありませんが、必ず発生するであろう住まいのメンテナンスについて如何に考えておくかと言った事の方が重要な事と思います。