兵庫、京都、大阪で誠実に、丁寧に木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所

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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

通気層

先日は、新年初の現場定例打合せでした。移動中
の電車でも「インフルきつかったわぁ」などの話
し声が聞こえてきて、その猛威を感じずにはいれ
ないのですが、幾らこちらが気を付けていても罹
る人は罹るようで出来る限り、そう言った流行と
は無縁でありたいと願うばかりです。

さて現場も少し進捗し、外部には通気胴縁が打た
れています。昔は通気の概念も無かったのですが、
いつの間にか通気層を設けることが一般的になっ
ています。

通気層を設ける目的は屋内から様々な原因により
排出された水分をスムーズに屋外に促し、通気層
に流れる気流によって乾燥させることが目的です
が、躯体と外壁の間に僅かに空気が流れる空間が
出来ることになります。隙間が出来ると言うこと
は虫やコウモリなどにとっては格好の居場所にな
り兼ねます。

なのでそう言った虫やコウモリなどが、隙間に入
り込まないように何かしらの対策が必要になる訳
です。

このような隙間を塞いだり、雨が入り込みにくく
するための部材を通気部材や水切部材などと呼ん
でいるのですが、今や各社から様々な商品が販売
されていて、我々はどのメーカーのどの部材を選
択すれば所要の性能を確保し、すっきりと納める
ことが出来るかに時間を所用します。

それは注文住宅と言う性格上、毎回同じ仕様、同
じ納まりでことが解決する訳ではないことが理由
ですが、勿論同じ仕様、同じ納まりにしている部
分もあります。

今日、ご紹介するのは外壁の下端です。しかし完
成してしまえば、下から覗きこまない限り見える
訳ではないので、そう目にする部分ではりません。

先に挙げた通気層の防虫対策の部分になります。
躯体と外壁の間に設けた隙間から小さな虫が壁内
に入り込まないようにし、且つ空気は流れる、い
わば相反する条件に対応するための方法になり、
以前はこのような部材が販売されていなかったた
め、網戸用のステンレス網を一定の幅に切りそろ
えて、止め付けて貰っていたのですが、大変手間
と時間の掛かる仕事でした。

そしてもう一つは片流れ屋根の頂部に設けた通気
対応の笠木になります。屋根に、このような穴の
開いた物を使うなんて何故なの?と思われるかも
しれませんが、それは先ほど紹介した通気層の空
気の排出先が、このような穴の開いた部分になり
ます。

でも穴が空いていて大丈夫なの?と思われること
でしょう。てっぺんに乗っている材料には穴が開
いていますが、その下に存在する部材により水が
躯体の中に入り込みにくい構造になっています。

万が一雨が入ったとしても、それは僅かな量なの
で、通気層に流れる気流によって乾いてしまうと
言う仕組みです。昨今、販売されているこのよう
な部材の考え方は殆どがこのような考えに基づき
作られているため、各部の通気層と言うのは必要
な構成であると考えています。