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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

やわらかく造るか? 固く造るか?

木の建築を造るうえで
時々、議論になるのが
建物をやわらかく造るのか?
それとも固く造るのか?
と言う事です。

恐らく、現在の主流は後者の方です。
何故かと言うと、この方法による工法の出現は
比較的新しく、ルールを統一しやすいと言う事が
理由かと推察します。

一方で、前者は昔からある工法で
全国各地で発達したため仕様が一律でなく
地方ルールのような感じに発達してしまっているため
統一化しにくい点が普及し難い状態なんだと思います。

今、ここに一つの動画を紹介します。
一つは、長期優良住宅の仕様でいわゆる固く造った建物
(動画上は奥の建物)

そしてもう一つは、建築基準法の耐震基準よりも
少し劣る、やわらかく造った建物です。
(動画上は手前の建物)

最初は手前の建物の足元が大きく浮き上がり
危ないと感じるかもしれませんが
最終的には奥の建物が倒壊してしまいます。

実験前は多くの専門家も、その逆になると
考えていたようですが、このような結果が出て
慌てて解説を加える方もいらっしゃいます。

実は、これ以前にも、伝統工法と呼ぶいわゆる
基礎の無い石場建てのやわらかい建物と、
在来工法と呼ぶ基礎があり金物で
しっかり固めた建物を
隣に並べて建た振動実験が行われ

その結果、伝統工法の建物が残り
在来工法の固く造った建物が倒壊した
ことがありました。
その時はメディアでもかなり大きく取り扱われ
話題にもなりました。

しかし、何故かその動画は
実験施設Eディフェンスの
どこを探しても出てきません。

意図的に隠されているのか?
と思われても仕方ないのですが
固い建物が少なくとも、
2度も倒壊してしまっている現実をどう説明するのか?

私もよく分かりませんが
少なくともガチガチに固め過ぎるのは
木の粘り強く持ちこたえる性質に反するため
固め過ぎずに、最大でも2~2.5倍程度の
壁をバランス良く配置するのがベストだと
考えます。

Narito Ashida