解体2日目
空が避けたように縦に鮮明な稲光、おお~恐とつぶやきながら、雨も激しくなりやがてフロントガラス越しの視界も不良となる。
ゆっくりと慎重に車を進めるうちに、やがて雨も小降りとなったが、道路工事中で信号機も点灯されていないためにガードマンの手旗に従い交差点を進行する事になった。
あの激しい雷雨の中、この人たちはレインコートも着ずに、ご苦労様ですと感謝の念を残し現場に到着。
現場ではこれまた職人さんたちが埃まみれになって頑張ってくれていた。
ようやく、リフォーム部分の骨組みも現れ、問題点も明らかになりつつあると共に完成の形が想像出来るようにもなった。
今回のリフォームでは東西の間を繋ぎ、一体のLDK空間をつくり、光りと風を通そうと言う目論見があり、何とかその通りいけそうだ。
但し、問題点も明らかになった。
上の写真の柱、どう思われますか?
今にも折れそうでしょ!
天井と壁の取り合いの部分に回り縁と言うものが取り付けられるのですが、それを取り付ける為に柱が大きく欠き込まれ、残っている柱は僅か、これで上の荷重を支えているのですから、ちょっと怖いです。
柱がこのように傷められるのは何も回り縁が付く時だけではありません。
柱に梁が組み合わされる場合も柱の仕口(しぐち)と言われる部分は大きく欠き込まれます。色んな方向から梁が取り付く部屋の真ん中にあるような柱の場合は、沢山穴を開けられたり、ノミで掘られたりと随分と木が傷め付けられ、残っているのはほんの僅かと言ったことさえあるのです。
そして、そのような部分が構造的な欠陥となり大きな地震等によってその部分に大きな力が加わると折れると言った事例も報告されているようです。
部屋の真ん中にある大黒柱が他の柱よりも太いのは単なる象徴的な意味合いに加え、上記のような構造的な脆弱さを補うと言う構造的な意味合いも含んでいると思います。
それらのような欠陥を生まないような工夫も建てる前の設計の段階で充分に検討しておく必要があります。