兵庫、京都、大阪で誠実に、丁寧に木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所

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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

視察

産地視察と言うことで今回、施工をお願いし
ている工務店さんの取り組みで家を建てる際
に使用する木材の産地視察に住まい手さんと
一緒に同行させていただき2度目の高地県の
馬路村へ行ってきました。

高知県の産地視察は、これで計3度目(他1
度は同じ高知県の梼原)になるのですが、過
去2回はいずれも雨で、特に前回は台風によ
る影響で行く先の崖からは水が溢れ出し、こ
れ以上進むと危険なのではないか?と思える
ような環境でしたが、今回は好天でした。

中でも馬路村は年間の降水量がかなり多い地
域とのことで、3度目の正直でようやく晴れ
間が拝めました。

山の状況に加え、乾燥機、丸太の皮むきの工
程、製材の様子と、一通りの工程を1個所で
見ることが出来たことは有意義なことだと思
います。

ここでは減圧乾燥機と呼ぶ未だ日本では数が
少ないと思われる乾燥機を導入し木へのスト
レスを出来るだけ少なくして材料を出荷され
ています。

昔は山の木を運搬するための鉄道が敷設され
ていたそうで、その名残も所々に見受けられ、
資料展示スペースには犬が貨車を引いている
写真もありました。

南極で犬がソリを引く様子を映像で見たこと
はあると思いますが、まさか犬が木を載せた
貨車を引くとは驚きです。

さて、高知県と言えば仮に南海トラフ地震が
起こった際には太平洋に面しているだけに一
番の懸念は津波ですが、その津波に備えて、
道のあちらこちらに津波避難タワーが備えら
れているのですが、建物の5~6階建て程度
の高さで階段と周りをぐるっと回るようにス
ロープが取り付き、最上部には人が滞在でき
るように広いスペースが設けられていました。

「あそこにトイレとかが付いていると良いで
すよね~」とふと呟くと「そういうタイプの
避難タワーもありますよ」とのことでした。
おまけに防災倉庫も設置してあるタイプもあ
るそうで、そう聞きながらあちこちの避難タ
ワーを見まわすと最上部のみ壁と屋根で覆わ
れている物までありました。

様々な状況に備えて造られていることは分か
りましたが、緊急時に設備類が充実した避難
タワーを選んで逃げることは出来ないと思う
ので、あれがどのような基準で、この位置に
はこのタイプの避難タワーを配置することに
なったのかも興味深く、キョロキョロと見回
していました。

一度、あの上がどのようになっているのか登
ってみたい気もしますが、実際にあの建物が
活用される日が来ることがないことを願いた
いものです。

Narito Ashida馬路村