千年家
午前中、現場での打合せが終り、ふと足を伸ばし安富町まで行ってみました。
兵庫県には「千年家」と呼ばれる古民家が2軒?残っていて、いずれもが重要文化財として国の指定を受けています。その内の1軒で、旧古井家住宅と言う古い民家が安富町にあるのですが。広い土間にはかまどや馬屋が、すのこ状の竹の床で出来たなんど、ちゃのまにはいろりが再現されています。
製材技術が発達していない時代にちょうな(説明には、はまぐりちょうなと書いてありました。)と言う道具によって仕上げられた板が床や馬屋の腰板に使われるなど上層階級者の住まいであったことが伺えます。
ちょうなによって仕上げられた床板は室内の濃い陰と外部から差し込む光によって、その微妙な凹凸の陰影が目に優しく、波のように映ります。土足は禁止されていましたが直接床の上に上がることも出来、心地よい足触りでした。
床下に風を通すと言った意味合いでしょうね。床下換気口らしき開口が設けられていました。
周囲は小さな公園として整備されていて、外部はいつでも自由に、内部は土日祝日しか見れないそうで、運良く内部も見る事が出来ました。
木組みの構成や成り立ちを理解するのは勿論ですが、久々に薄暗い閉鎖的な空間を味わい、明るいのがあたり前の現在の住まいのあり方に明暗のめりはりと、明かりのありがたさを感じた見学でもありました。
他にも見学した施設はあったのですがあまりにも大きな施設ゆえ、ヒューマンスケールを超え、寂れ果てたその建物は張りぼてで出来た遊戯施設と何ら変わらないと感じた事等から今回はコメントを差し控えます。