兵庫、京都、大阪で誠実に、丁寧に木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所

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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

楽しい押入

すっかりサボり癖がついてしまいました。毎日ペースも大変です!

さて、今回は少し趣向を変えて、私はこれまでに沢山の賃貸住宅に住んできました。その中には今考えると面白いなあと思う間取も沢山あります。その様な住まいの間取を紹介しながら、住まいづくのヒントとなるような話まで展開させてみたいと思います。

第1回目は私が中学生まで過ごした大阪の公営住宅についてです。

昭和40年代後半、建築されたばかりの公営住宅で、51C型と言われる間取が少し進化した程度の住まいでした。

51C型とは戦後、人口の大都市集中と住宅不足に対応するために東京大学の吉武研究室によって設計された公営住宅の標準プラン(間取)です。下図参照

51C

 

しかし、この住まいは上図と違い押入れが部屋と部屋に挟まれた様に配置されています。しかも押入れの中は両方の部屋の建具を開けると中で一繋がりになっていて、中段が一段、設けてあり、赤ん坊ならトンネル状のその中を立ったまま部屋同士を行き来出来るようになっていました。つまり両方の部屋から使える押入れになっていた訳ですが、子供心に楽しげな空間は恰好の遊び場と化していました。しかし、物の少ない内はその様にあっちとこっちでこんにちはと出来たわけですが、家族の成長と共に物も増え、最終的に唯一備え付けられた収納であるその中は、物で一杯になっていましたが、階下や階上の友人の家ではまだ余裕のある所もあり、尚楽しい、遊び場になっていました。下図参照

間取

 

実は人って、この頃の思い出が今も身に染み付いているのかもしれません。自分の身の丈にジャストサイズの空間、例えばキャンプなどで張る三角のテントの中、積雪地なら、かまくらの中など、何となくわくわくしませんか?

こんなわくわく空間を住まいの中にも一工夫して設けてみるのも楽しいかもしれませんね。

では、次回は具体例を挙げて考えてみましょう!