27坪のワクワクしながら暮らせる家(2017年)
限られたご予算、限られた面積の中で遊び心を持ちながら無駄を省くことは、住まい手の想い、割り切りを汲み取って
提案する必要があります。
コンパクトであるけども視線を塞ぐ、迂回する、スペースを可変させるベンチを壁1枚で実現しています。
キッチンからダイニングにかけては直線に配置し、その周りをぐるっと回るように回遊動線としています。
コンパクトな住まいではスペースを兼用させる必要があり、階段と家電棚は空間を立体的に兼用しています。
階段の隙間から家電棚に埃が落ちることに配慮して蹴込み板(垂直面)にはアクリル板を嵌めています。
2階には主寝屋、WICL、子供部屋、小さなホール、トイレを設置した木に囲まれた住まいとなっています。
建築場所 京都府京丹後市
敷地面積 371.98㎡(112.52坪)
建築面積 49.69㎡(15.03㎡)
延床面積 89.44㎡(27.06㎡)
※ 最後まで見て頂くと、冬季の室温測定の結果も掲載しています
南面外観
左手の大きな窓の外にはデッキを設置する予定でしたが一期工事では、ここまでです。
夜になると室内照明の暖かな光が漏れてきます。(右写真は、撮影前日のドカ雪が屋根や庭に残っています。)
左/コンパクトなエントランスには天井まで一杯の収納を設置し、量を確保しています
右/ 1階の中心にあるLDK
室内の家具や造作はカラマツをパネル化した合板で造り込んでいます。階段は鉄骨の側桁で軽やかに仕上げ、黒く塗装し引き締まった雰囲気となっています。
コンパクト住まいでは、スペースの有効利用が求められます。ベンチを使用しない時は脚を外し、跳ね上げて背後の壁に固定できるようになっています。
主寝室
大きな窓にはお子さんの転落防止ネットを貼れるように腰高さのテスリを設定しています。
写真左 ウォークインクロゼット
写真中 子供部屋
写真右 2階ホール
室温測定
住まいの完成後、生活が落ち着いた頃合いを見計らって、室温測定機器を設置させて頂きました。
測定期間は2017年1月22日から1月26日までです。縦軸が、温度と湿度、横軸が日時の経過となっています。
青が湿度、赤が室温となっています。測定期間中の最高室温は17℃(計測開始時は、もっと高い室温となっていますが、イレギュラーな波形となっているため、除外します。最低室温が4.1℃、平均室温が8.9℃と、全体的に低調な結果となっています。
又、同期のアメダスデータ(下図)を見ると、平均外気温は1.0℃です。この時期の物件にしては、少し結果が思わしくないのですが、場所柄寒い地域でもあり、最低外気温は毎日のようにマイナスとなっていることから、あながち間違いで無い部分もあるように思いますが、測定機器を設置した場所の影響も少し影響しているのかもしれません。他の物件と比較すると波形が若干、違うようにも思えます。もう少し測定期間を長めに設定しておくべきだったかもしれませんね。
施工 / 株式会社 坂根工務店
撮影 / 中村写真工房