厄除御社 建前
話が持ち上がっては消え、先延ばしになっていた村の厄除御社の建て替え 長い歳月を経て、本日ようやく形になりました。
恐らく、建て替えようかと言う話は数年前から出ていたのだと思います。
昨年ひょんな事から首を突っ込み、お前に任せた的になった事から一気に事が進んだと思います。
自画自賛ですが、素人さんだけで、あーでもない、こーでもない、と迷っているよりはプロに任せて一気にすっきり、まるで住まいづくりと一緒です。
相談すべきはプロですよ。
とまあ、大口を叩いてみたのですがご勘弁を、自信がなければ看板なんて挙げていません。
神社の石灯籠には享和元年(1801年)の文字が刻まれていて、この年に伊能忠敬が全国測量を始めた年なのだそうです。
先代建物の解体時に出てきた和釘、同飾り物の木目の詰み方などからも古さは想像できたのですが、資料がもしかしたら無いかもしれない状態であり、今の段階では想像で少なくとも100年以上、もしかしたら200程度経っているかもしれないと言った貴重な建物でしたが、その古さゆえに、建て替えとなったのです。
そして、今回工事をお願いしたのは、同丹波市内の若き大工さんでもあり、元私の生徒さんでもあったT君です。
彼は特に宮大工修行をした訳ではありませんが、今回のために色々と道具を揃えて、飾り物の彫り物などもしてくれました。
写真左が組む前の枡と肘木、右が組んだ後。寺社仏閣によく見られるもので、大きな寺社仏閣ではこう言った物を多用して軒先をどんどん外へ広げてあります。
そして、今回の工事では基礎代わりの延べ石と土台の緊結、屋根の垂木の留め以外には金物は用いず、込み栓、ダボ、クサビ、貫と言った木の粘る性能を生かすために昔からあった方法によって組み上げて行きました。
プレカットと呼ばれる機械で木材を加工する仕事ではありませんので、その分手間も掛かるし、職人さんの技量も試されます。
職人さんによっては、建前の前日などは組めるかどうか心配で中々眠れない方が居る、と言う話を聞いたこともあります。
小さな屋根ですが、ほんの少しだけ反りを付けていますので仕事も余計に難しい事と思います。
日没となりましたが、ようやく形になり本日の仕事が終了しました。
さて、完成に向けて、もう一息です。
工事の無事安全を祈願して
かけまくも、かしこき・・・と祝詞をあげておきましょう(笑)