エアコンの選択方法
先日のエントリーでは新築についての評価を記しましたが、決してリノベーションは置き去りになっている訳ではありません。 只、リノベーションに関する評価方法が、少なくとも私の中では未だ整っていないのが現状ですが、考えている事は新築と変わりありません。
何故、そこに拘るのか?とある有名な建築家はそんな甘やかした家は駄目だと言いますが、実際に家庭内でのヒートショックなどによって亡くなる方の人数は交通事故で亡くなる人数よりも多い、この現状を踏まえると、命を守るべき建物の中で温度差が原因で亡くなっている、転倒によって亡くなっている訳ではありませんよ。少しでも改善してあげるべきでしょう、又身体を冷やすことは健康面でも良くありません冷えは万病の元、やはり暖かい住まいって必要かと思います。
さて、リノベーションも置き去りにしていないと言う証拠に、住まい手さんが自発的に書かれているブログを紹介させて頂きます。決してお願いしている訳ではありませんが自ら率先して、このようなリポートをして下さっています、本当に有難い事です。 須磨 壱の家マンションリノベーションの住まい手さんブログ → こちら からどうぞ!
ブログ中のレポートで「壱の家」と書かれている方がリノベーション工事をした住まい。(南西向き)
「弐の家」と書かれている方は工事前に住まれていた直ぐ近くに建つ別棟の住まい(東南向き)
玄関の室温が壱の家も弐の家も変わらないとあるのは、共用部分である玄関戸は今回の工事でも触れなかったので、その隙間からの漏気や断熱仕様を講じることが出来なかった事が理由と考えています。
宜しければご覧になって下さい。
さて、前置きが長くなりましたが、先日書いたQ値ですが、
それが分かって何になるねん?と言う話ですが
先日の内容では、Q値が小さい事は住まいの暖かさに関係するんだな、と言う事が伝わっていればOKです。
更に、Q値が分かれば本日のお題にあるエアコンを選択する際にも、この数字が生きてきます。
皆さんがエアコンを買う時に何を基準に機種を選択されますか?
殆どの方が部屋の広さ、ではないでしょうか?
「吹抜けがあるので、少し大きめ選んどこか~」若しくは、家電店の店員さんの言うがままになっていませんか?
実はエアコンって数ある暖房器具の中で最もエネルギー効率に優れています。
1のエネルギーを6倍にも7倍にもしてくれる暖房機器なんて他にありません。
発電所でつくられた電気は皆さんの家庭に届くころにはそれが約40%程度にまで落ちています。送電中のエネルギーロスや抵抗によって60%近くが失われていると言う事です。
それを再び100%以上の力に変える能力を持つのがエアコンなのです。勿論、古い物ほど効率が悪いので全てのエアコンにそれだけの能力があるとは言いません。
私が昨年設計させて頂いたお住まいでエアコンの機種選択の際に行ったのは最大冷暖房付加という物を計算しました。(この計算には少し知識と手間が掛かりますので誰でも出来ると言う訳ではありません)
最大冷暖房付加を計算する際に、このQ値が必要になります。
そして、そこで出た数値をエアコンの最大能力に合わせエアコンを選択しています。
結果として部屋の広さよりも小さい表示帖数の機種を選択出来たのですが、それも前記の計算が根拠となっています。
具体的には関東間で25帖+4帖程度の吹抜けを持つ空間でしたが選択した機種は帖数表示で言い換えると18帖程度の能力の物を選択
結果、この冬問題なく過ごせました、とお話を伺っています。
どうですか、店頭で店員の言いなりになって高いエアコンを買わされて、おまけに能力が落ちる無駄に大きな物を手にするのか、賢く選択して適切なスペックを選択しながら省エネにもなる、自ずと進む道は見えると思います。