Q値の変遷
当方では2008年からCABEE戸建てによる評価を全ての新築住宅で行い、2010年からは全ての新築住宅にQ値、μ値を採用した(即ち、次世代省エネ基準を意識した)設計に取り組んできました。Q値とは熱損失係数と呼ばれ、建物からどの程度の熱が逃げていくのかを示す値で、数字が小さいほど性能が良いとされています。 専ら、次世代省エネ基準も昨年改正されてはいますが環境先進諸国に比較するとかなり遅れているそうです。
そんな中、現在進行中の「哲学の家」についても暫定値であったQ値を契約建物に準拠すべく最終値を確定しました。
数字で家が建つ訳では無い事は重々承知ですが、考え方を裏付けるものの一つが数字であると思います。
只、数字の持つ意味と実際に現場で体感する事はかなり近似しますので、間違いの無い物差しであると考えます。
さて2010年~昨年までの完成物件では相対的に似通った値で推移しています。(2.70W/㎡K が各建築地での次世代省エネ基準の基準値です)
2010年 ありがとうの家 2.30W/㎡K
2011年 TATAMIリビングの家 2.58W/㎡K
2012年 縁望の家 2.26W/㎡K
YKITハウス 2.25W/㎡K
2013年 哲学の家 1.76W/㎡K
とついに、Q値が1台に突入しています。(本来ならこれに併記してμ値と呼ばれる値も載せないと意味がないのですが便宜上割愛しています。)
そして今後は Q値→UA値に 、μ値→ηA値にと、それぞれ呼び方と評価方法が少し変わります。
2012年以前との大きな違いは採用している窓の種類と屋根に付加断熱をした事です。
勿論、そこに費やしたコストもある訳ですが、今回の住まい手さんは窓に投資をされました。
住まいづくり、これだけが命ではありませんが、こういう事も含めて考える資質が今後ますます必要になると思います。