外観が決まった要因
「坂道に建つ家」と名付けた通り住まいの目の
前は坂道になっています。おまけに敷地三方に
擁壁が存在し、それらの擁壁は極力触りたくな
かったのですが、ご要望の優先順位の高かった、
並列に2台駐車できるインナーガレージの位置
は道路と敷地の位置関係から、自ずとその位置
が決まりました。
敷地の残りの部分だけで住居部分を計画しよう
と思えば、1方の擁壁の上に建物の荷重を載せ
るしかありません。しかし既存擁壁の場合、完
成後に建物の荷重が載せられる想定はしていま
せん。従って、その擁壁は一旦取り払って、基
礎兼用の擁壁を新たに設けました。
インナーガレージの奥に主生活スペースを設け
ました。そして、人の出入りをどこからするの
か?答えは自ずと敷地の残った部分になります。
しかし、そこにはリビングから庭を眺める大き
な窓も存在します。人が通る度に、その窓から
家の中が丸見えになったのでは落ち着いて生活
できません。そこで1枚のスクリーンを建て目
隠しにしたことで庭は小さな坪庭となりました。
玄関へのアプローチは敷地の高低差を少しずつ
吸収しながらあっちに1度、こっちに1度、つ
ずら折れの道を駆け上がり、ようやく玄関に辿
り着く仕掛けにしてみました。もしかしたら敷
地の高低差を一案感じることが出来るのは、こ
の部分かもしれません。