兵庫、京都、大阪で誠実に、丁寧に木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所

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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

四角くまとめる

昨今、SNSで間取り診断と称し、誰かが描
いたであろう間取りを画面上に晒した上で、
添削を求めたりしているのを目にします。

でも、これ大丈夫なのか?間取りを描いた人
の了承は、おそらく得ていないと思います。

つまり、無断掲載です。もし描いた方が著作
権を主張するならば、著作権違反です。第三
者に教えを求める前に、きちんと目の前の方
と向き合って家づくりを進める或いは、その
方の間取りが、どうしても気に入らないなら、
きちんとお断りして他の方を探すのが筋とい
うものです。

近頃、間取りを作れるソフトもあるようで、
素人さんでも適当に操作すれば、良い間取り
が出来た気になれるかもしれませんが、我々
は、間取りだけを考えるのではなく、立体的
に考え且つ、周辺環境、法律、構造のこと、
設備のことなども含め、全てを同時進行で考
えています。

さて、今回から又少しの間、シリーズものを
書いていこうかと思います。

今回のシリーズは、これから家づくりを考え
ようとされている方向けのシリーズです。前
述のようにご自身で間取りを考えようとされ
ている方や、既に間取りをどこかで描いてい
ただいている方などは参考になるかもしれま
せん。但し、私の所に間取り診断をして下さ
いとご依頼いただいても、お断りさせていた
だきます。

先ずは、言葉の説明をさせていただきますが、
私達が使う「プラン」や「プランニング」と
言う言葉は単に間取りを考えることを指すの
ではなく、前述のように間取りを含む立体的
なこともそうですが計画全般のことを指し、
間取りはその一部でしかありません。

以前、年間100棟以上も手掛けられている
某パワービルダーさんのお話を伺った時の話
ですが、そのビルダーさん曰く、「ウチはデ
ザインがイマイチって言われるんです」と仰
っておられました。

どこにその原因があるのかはプランを見れば
一目瞭然でした。平面プラン(間取り)に必
要以上に凹凸がありすぎなのが、その原因で
す。

何故そうなるのか、プランを考える人が下手
だからです。考えていくうちに、上手くまと
まらなくなってくると、あっちを飛び出させ
たり、こっちを凹ませたり、平面プランが凹
凸だらけなんです。

そうなってくると飛び出した部分には屋根を
掛けないといけませんが、あっちもこっちも
飛び出しているため屋根もチグハグになり、
結果として格好悪い家が完成してしまいます。

敷地がよほど変形しているならまだしも、あ
る程度整形の土地に、建物を考えるときは、
出来るだけ平面プランは四角くまとめる努力
をしないといけません。四角くまとめること
で、屋根も掛けやすくなり、スッキリとした
納まりで建物も上手く、まとまり易くなりま
す。

おそらく、ボコボコした計画をする人は平面
的にしか物事を考えることが出来ておらず、
立体感を想像できていない人かと思います。
私がプランをする時には平面プランは必要以
上に凹凸が出ないように考える努力をします。

何故かと言うと、完成形がスッキリとうまく
まとまると言うこともそうですが、コスト面
でも抑えやすくなります。又、構造強度面で
も有利になります。

シンプル・イズ・ザ・ベストとも言えますね。
逆に平面的に凸凹が多くなると余計なデコレ
ーションが必要になり、まとめにくくもなり
ます。下屋の数が増えると雨漏りの可能性も
高くなります。このようにデメリットが増え
てしまうため、やはり四角くまとめる努力の
大切さが分かりますね。