形の意味
この写真、湾曲して写っている訳ではなく建物が緩やかなカーブを描くそのような建物なのです。どうしてこのような建物になったのか情報をきちんと読み込めば多分はっきりしていたのでしょうけども、情報に支配されずに直感で感じたいと思っていましたので場所以外の情報は持たずに足を延ばし外部からのみ見学させて頂きました。
「大阪木材仲買会館」 名前の通り木材(桧)を建物のほぼ外部全面に使用した建物です。注目すべきは、これだけ木材を大々的に使いながら耐火建築物としてクリアしている現在の技術だと思いますが、さてでは何故、このように緩やかなカーブを描く建物にしなければならなかったのか?
答えは2つ目の写真にあるように思います。建物の前に立つ大きな桜の木。
この枝振りが四方八方に広がり道路にまで大きく張り出しています。
この緩やかなカーブを描くデザインは、この樹を生かすための形だったんだなと、この場に立ってみて分かりました。
このように、きちんと意味のある形は美しくも見えますし納得も出来ます。
それに反し、3番目の写真は同じような名前の「大阪木材会館」と言う名前の建物です。
恐らく、クライアントはどちらも同じではないのかな?と思いますが
こちらはパッチワーク感が否めないと言うか建物自体はコンクリート造の建物でファサードだけを木材であしらっているのが、その側面から見れば一目で判明します。
当時の技術では厳しい防火制限の中で、これが出来る事の精一杯であった事は理解できますが、「貼り付けたな~」と言う目でしか見れないのは私だけでしょうか?
結論、「意味のある形は美しい」「寄せ集めのデコレーションには違和感を感じる」