構造計算書
一般論ですが、これまでに住まいづくりを経験された方でさえ、この構造計算書を見た事のある方は少ない事でしょう。(建築業界関係者は除く) それは当然な事で、建築基準法ではいわゆる4号物と呼ばれる木造2階建て程度の住まいでは構造計算は必要ない事になっています。
しかし、その場合の安全性の検証はどのように担保されているのか?
耐力壁と言う壁の量が確保されているのか?接合部分の金物の仕様はどのようになるのか?即ち地震と台風に対しての安全性の検証をすればOKと言う事になります。
それで、ええのとちゃうん?
と思われた方は、ちょっと待って下さい。
きちんと構造計画をされている建物ならその検証のみでOKなのでしょうけども、きちんと構造計画が成立するか否かはプランに従いますのでアクロバッティックなプランや1階と2階で壁の位置や柱の位置が全く違う、柱の無い大きな空間が存在する(スパンの飛ばし過ぎ)などは例外となる事が多いのです。
構造計算を行わない場合、梁の断面寸法は経験値に基づき、大体これくらいで大丈夫でしょう。となるのですが
経験値にない場合はその読みもあてになりません。
構造計算をすれば、その「大体これくらいで」と言う部分は無くなり、「これで大丈夫」とおおよそだった部分が明確になります。
我々の世界も分業化されているので、一般的には構造事務所に依頼して構造計算をしてもらう事が多いです。
写真はその1ページです。表の中身は殆どが数字。
このページは柱1本ずつについて計算が行われています。
厚さにして約4cm程度でしょうか?分厚い構造計算書の中身は殆ど計算ソフトによる物であります。
勿論、その設定に関しては構造事務所さんの判断が生きてくるわけです。