筋交いの取り扱いもシビアです
日経ホームビルダー最新号に面白い内容が取り上げられていましたので、少し触れてみます。 一般によく用いられる耐力壁は、「合板(正しくは面材と呼ぶべきですが)」、「筋交い」、この2種類が圧倒的に多いのではないかと思います。
建築基準法では、筋交いを用いる場合の柱の間隔は90cm以上とされています。
その実験モデルは下図のようなもので、柱間隔91cm、構造体高さが273cm(1Pモデルと呼びます)の試験体により検証されています。
そして、これよりも筋交いの角度が緩くても、強度は低下するのだそうです。
但し、現場では柱間隔が91cmでも182cmでも筋交いの断面が(太さ)が同じなら同じだけの効果があると解釈されている所に問題があるのではないでしょうか?
同じだけの効果があると書きましたが、耐力壁量(地震や台風に効果のある壁の量)としては柱間隔が広い182cmの方が、同91cmの2倍存在するとして取り扱い出来ます。
当誌によると、筋交いが同じ断面(太さ)なら構造体高さが同じでも柱間隔が倍の182cmになった場合、や若しくは136.5cmなどの場合はおよそ7~5割程度まで低下すると言う事ですので前述の実態にそぐわない事となります。
又構造体高さが高くなった場合は、筋交いの角度は急になり、柱間隔が91cmの場合でも、構造体高さが318.5cm以上になった時には強度を低減させて考えないといけないと言う事です。
但し、柱間隔が大きい場合の低減評価のための式は未だ存在しないとの事ですので、関係者判断により配慮が必要となりそうです。
ちなみに、田舎の住まいでありがちな筋交いの入れ方ですが、外部真壁となるために筋交いが見えるのを避けるように配置したために腰板に隠れる部分だけに筋交いが入り、柱と梁の交点に届いていない寸足らずな物、全く入っていないよりはましなのかもしれないのですが、果たしてどのような評価を下せばよいのやら?簡易判断するなら筋交いは無いものとみなしても良いのでしょう。