兵庫、京都、大阪で誠実に、丁寧に木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所

Blog

兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

長野出張

先週、長野県へ出張して来ました。目的は現
地調査を兼ねた打ち合わせのためですが、長
野県へはスキーをしていた頃に良く行ってた
のですが、独立後はスキーをすることもなく
なったため、かなり久しぶりの訪問になりま
した。

お伺いしたのは岡谷市と呼ぶ諏訪湖のほとり
にある街です。名古屋駅からは特急しなのに
乗り山間を走ります。丹波を出発して6時間
少し、丁度お昼頃に到着しました。

午後からはヒアリングや打ち合わせ後に現地
確認及び調査に時間を費やしました。また、
そちらの進捗は追って挙げて行くことにしま
す。

当日の滞在は駅前のホテルです。チェックイ
ンしたのは既に日が沈んだ後でしたので窓の
外の景色が分かりませんでしたが、翌朝、窓
から外の景色を眺めると僅かに諏訪湖の水面
が顔を出していました。(下写真)

翌朝、知らない街に来た場合は恒例の建物探
訪です。お隣の茅野市には藤森輝信さん設計
の建物が点在しているとのことで、朝早くか
ら茅野に移動です。朝の電車は丁度、通学時
間帯で多くの学生さんとともに観光客らしい
人々の姿も見受けられました。茅野駅から目
的地までは距離にして2キロ少しです。微妙な
距離で移動手段を模索しましたが、結局徒歩
を選択しました。

徒歩で移動する理由は、マークしていなかっ
た建物や街並みに出会える可能性が非常に高
いからです。但し、これは距離に限界がある
ので、私の場合は3キロくらいまでと思います。
ウォーキングで歩く距離が大体、それくらい
なのです。

で、一番最初に訪問したのが比較的近年に完
成したとされている高部公民館です。交通量
の多い道路沿いに、ふと現れる、らしさ全開
の外観は誰が何と言おうと藤森さんの設計に
よるものと一目で分かります。

柱が屋根を貫き、銅板を揉みこんで張った屋
根、黒い焼き板の外壁に漆喰で縁取りされた
窓。

建物に近寄るに従ってわくわくする気持ちと
にんまりする顔、傍から見ていると変かもし
れませんが多分、建築好きに共通する行動や
表情なのかもしれませんね。

建物の足元を隠すように鉄平石を張らずに立
てかけるだけなのは新鮮でした。

2枚目の写真から道路にそって少し進むと建
物の裏側を走る細い道路と合流する三叉路に
なります。敷地は三叉路の側に行くに従い絞
り込まれるようになります。ここから裏道側
に回ると二つの入り口があります。そして、
こちら側の屋根は銅板を揉み込んだようなく
しゃくしゃものではなく、一般のたてひら葺
き。おそらく予算のこともあったのでしょう。

竪樋を設けずに写真のように軒樋からの水を
そのまま地面に落とす潔いデティールです。

柱の足元は、どうなっているんだろう?銅板
が巻いてるのは分かりますが、その下の黄色
い部分はコンクリートの基礎の上に何かしら
の仕上げを施しているようにも見えますが、
柱は固定されているのか?はたまた置いてあ
るだけなのか?

流石に内部を見ることは出来ませんでしたが、
小さな建物がどのように活用されているのか
も気になります。