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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

建物の点検方法 その4

基礎、雨樋、外壁に続き、今回は屋根になります。
屋根は目視でしか確認のしようがないかもしれま
せんが意外に人の目線って上の方は見逃し勝ちな
ので屋根を見る機会は少ないかもしれませんね。

屋根葺き材量は瓦、鋼板、シングル、カラーベス
トなど様々にあります。私が良く採用させていた
だくのはガルバリウム鋼板と呼ぶ物ですが、時々
瓦も採用することがあります。

阪神大震災以降、瓦が重いから地震に弱いと言う
間違った噂が広まり、それを信じる人も多かった
のか瓦葺きが極端に減ったと言われています。確
かに鋼板に比べると瓦は重たいですが、それに応
じた耐力壁量を確保することで耐震性を確保する
ことが出来ます。

最近では屋根の点検をドローンを使って行う業者
もありますが、近寄って確認することが出来る点
でメリットはありそうですね。

屋根は雨漏りとも関係することが多いため、室内
に雨漏りの跡がある場合は、先ずは屋根を確認し
てみましょう。特に年代が古い建物では、下屋と
壁の接点になる部分の防水が心許ないことが多い
ため、台風のような強風を伴う雨などが降ると、
心許ない防水を乗り越えて雨が侵入してくるケー
スが多くあります。

又谷樋と呼ぶ屋根と屋根が直交して交わるような
部分では、漏水の可能性も高くなります。昔は谷
樋の部分に銅板が使われていたことも多く、酸性
雨などで腐食し穴が空くと、そこから雨漏りが発
生することもあります。

又入母屋造りのような屋根が複雑な形状になると、
屋根と壁が取り合う(ぶつかり合う)部分で、隙
間が細かすぎたり、隙間が奥にありすぎたりして、
職人さんの手が届かない等の理由で、仕事が適当
になりがちです。そう言った個所からは鼠が屋根
裏に侵入するなども考えらるので、何かしら対処
が必要になると思います。

とまあ、ここまでは専門的な知識や経験がないと
難しい内容かもしれませんが、ご自身で点検され
る場合は、屋根瓦のズレ、鋼板の場合はサビ、ア
スファルトシングルと呼ぶ物は素材がペラペラな
ので剥がれ、などが発生していないかなどを御確
認下さい。

今日の写真は下屋の防水シートを貼っている写真
です。シートを壁際に、かなり高く立ち上げてい
るのをご覧いただけると思います。昔の家では、
シートの立ち上がりが僅かなので、台風などの強
風時に、このシートを乗り越えて雨水が室内に浸
入し雨漏りとなります。

雨漏りの個所がこのような個所の真下になる場合
は、防水シートの立上り不足が考えられます。応
急処置としてコーキングをされる方もいらっしゃ
いますが、一時しのぎに過ぎませんので、このよ
うなケースでは防水シートをやり直すことが根本
的な解決となります。