兵庫、京都、大阪で誠実に、丁寧に木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所

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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

何間?

耐震診断やリノベの事前調査などで、
お伺いさせていただき数々の建物を
拝見していますが、
殆どは本間(ほんけん)(985㎜の倍数)や
関東間(910㎜の倍数)で説明がつくのですが、
時々、これはどういう基準(間)で
建てられているのか?と思う事があります。

日本の住まいは、ある程度モジュール(碁盤の目)
の上に沿って柱が建てられているのですが、
時々その約束事が成り立たないことがあります。
そういう時は物凄く、採寸に戸惑います。
解決策として幾つかの部屋を測ってみて、
経験値によって3つのパターン
(上記の本間や関東間と+α)の
どれかのモジュールに当てはまるのでは無いか?
と思い計測しています。

勿論、昔の家はJAS製材とかは無用で
機械製材でもないため
柱のサイズも1本ずつまちまちですので、
柱の端と端を測ると意味不明な
寸法になることもありますが、
それでも上記の3つのモジュールの
どれかに近ければ、謎は解明されます。

但し、そうもいかない時は柱のサイズを測り、
その芯々間の寸法を割り出してみます。
それでも経験に無い数値が出て来た時は、
測った寸法で行くしかありません。

現場で「あれ?」「あれ?」としきりに
呟いていれば、きっとその状況なんだと
思っていただいて構いません。

こういったケースで考えられることは
敷地のサイズにゆとりが無く、
一番端の間だけ崩して計画されていたり、
その時、職人さんが持っていた材料の長さに合わせて
間を崩していたり、と言ったことが想像されます。

その建物が建てられた当時のことを
後の時代の人が、こうやって解明していく
面白さって、きっと我々にしか味わえない
特権なのかもしれませんね。

Narito Ashida