倒壊してしまったあの建物
過日、兵庫県三木市にある通称 Eディフェンスでの振動実験で倒壊してしまい、業界に激震を与えたあの建物(木造3階建て長期優良住宅仕様の建物)の構造図がこちらのサイトで公開されています。
私の推測でしかありませんが
今現在、構造界の中で覇権を握っているのは圧倒的に金物で固める派なのでしょう。
背景には大手住宅会社やHMをバックに付け豊富な資金力で勝負できる万全の土壌で寄り切っている学者の力があるのかも知れません。
かたや、Eディフェンスでの結果を楯に反逆の狼煙を上げた伝統構造派と言った構図が浮かび上がります。
伝統工法派の建物を合法的建てようとすれば複雑な構造計算をクリアしなければいけないと言う高いハードル設定のために、大手やHMが、その方向に向くとは考えられずに、極端な言い方をすれば少数派(本当は伝統工法に走りたいけども、法律に乗っかる方が楽なので否応無しにと言った隠れ伝統工法派も沢山いる事は知っています)でとどまってしまっている状態なのでしょう。
もっとも、伝統工法と呼ばれる工法は地域の特色や職人さん毎に少しずつ加工の仕方が違うと言ったばらつきが多いために、1つのテーブルに載せた評価をし難いと言うハンデを抱えているのも事実です。
私自身、どちら派のつもりもありませんが兎に角、山のように沢山つけられる建築金物を少しでも減らし、最低限の量で基準をクリア出来る様に計算し対応しています。(そういう意味では隠れ派になるのかな?でも世の中、多分私のような考え方の人はかなり居ると思います。)
金物が少ないから建物の強度が弱いと言う訳ではない事を付け加えておかなければなりません。
ご存知ない方はこちら ↓ をご覧下さい。画面向こう側が長期優良住宅仕様の建物です。
http://www.youtube.com/watch?v=adP5fbAoxV0
くれぐれも誤解の無いように申し上げておかないといけませんが、決してこの仕様の建物を誹謗中傷しようとしている訳ではありません。このような結果になってしまった原因の究明が大事なのですから。