正直者
さて、各地で集中豪雨による被害が報告され、あの暑かった日々が嘘のよう、お盆以降めっきり日差しが遠ざかっているようなそんな日々が続く中、篠山のリフォームも進行中です。
こちらの住まい、元は四つ間取りで南東面には床の間を持つ和室の続き間の外に下屋の縁側を設け、その縁側目一杯に掃き出し窓を設けた典型的なつくりです。
今回のリフォーム工事では、そちら側には手を付けない事となっていますので、工事完了後も姿形が変わることは無いのですが、
このように工事範囲の内装を全て取り除いて、骨組のみの状態にすると良く分るのは、柱が必ずどちらかに傾いていると言う事です。
しかし、これは欠陥工事による物では無く、長年にわたり荷重を受け続けた結果と言えます。年月をかけて少しずつ傾いていきますのでそこで暮らす人にはその傾きは感じられませんが、改めてこのような工事の時に見るとその傾きが良く分ります。
で、柱1本1本がバラバラの方向に傾いているのかと言えば、そうではなく全体的に同じ方向へ傾いている傾向にあります。
それは先に挙げました、窓の多い方向、つまり耐力要素の少ない方向へ少しずつ傾いています。
こちらのお住まいもそのように、縁側の窓が多い方向へ向けて少しずつ傾いています。
本当に建物とは正直にそのような力学的性質を現してくれるものなのですね~。
とここまで頻繁に傾きと言う表現をするとまるで、家が潰れてしまうのではと、お感じの方がいらっしゃるかも知れませんが、そこまで酷く傾いている訳ではありませんのであしからず・・・。
で、その傾きを直す事は至難の技ですので、その傾きの基準をどのように考えて枠や建具などを納めるかが新築とは違うリフォームの難しさでもあります。