兵庫、京都、大阪で誠実に丁寧に木の家をつくる芦田成人建築設計事務所
兵庫、京都、大阪で誠実に、丁寧に木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所

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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

一歩前進

先週末、入札中案件の工事業者が決定しました。しかし、今回の仕事は形の残らない仕事です。 むしろ形を消す、お仕事です。 そう、解体工事のお仕事なんです。

私も、依頼があった時に「解体なのに、どうして?」 と言う思いがありました。 依頼があった、と書きましたがダイレクトに依頼があった訳では無く 設計事務所も入札により、決定しています。

ある時、前触れもなく書類が届きました。 内容を見てみると一度相談を受けた案件ではありました。 しかし、その時は「そのような仕事でしたら設計事務所を入れずに、 解体業者に直接依頼される方が安いですよ」 とだけお伝えしていたので、てっきり流れた仕事と思っていました。

後で、理由を尋ねてみると、このような形式になった理由を理解出来ましたが 書類が届いた時には、こんなやったことも無い仕事は「辞退しよう」との思いが先に立ちました。 現に辞退届への記入まで済ませており、後はそれだけ提出してしまえば 無事、辞退となっていた訳です。

しかし、否待てよ。 折角、地元で声を掛けて貰って、このまま辞退してもいいのか? おまけに、そのエリアでは目下2件も地元の仕事をさせて貰っています。 ここは運の良いエリアでもあり、「やった事のない」を理由にせずに やるべきでは?との思いが次第に強くなりました。

しかし、さて幾らの金額が適正なのか? 新築、リノベーションの相場を参考に自分なりに出した金額で 入札、無事落札と相成った訳です。

解体とは言え、工事見積もりに必要な図面を作成する作業は ありましたし、何度も現場への確認に足を運びました。

造る所から解体まで、つまり建物が生れる所から無くなる所まで 建物の一生に関わる滅多にない機会でもあります。

私自身は、小さい頃には丹波に住んでいなかったため ここへは通っていないので、この建物での思い出は 皆無ですが、地元の方にとっては色んな思い出が 刻まれているであろう建物です。

無事に更地となるまで、関わらせて頂きます。

芦田成人建築設計事務所にとっても、新たな局面です。