流石、重要文化財です。
古民家リノベーションの現場もメイン部分の大工工事が、ほぼ完了し左官工事に移っています。 こちらの梁の大きさ、長い丸桁にも関心しましたが、現場の帰りに寄った、重要文化財「永富家」
住まい手さんに教えて頂いてからずっと行ってみたかったのですが、ようやく時間が取れての訪問となりました。
築200年ほどとのこと。豪農の家で住まいの真ん中に仏壇が据えられ10以上の間を持つ建物でした。
元鹿嶋建設会長で国務大臣も務められた鹿嶋守之助さんの生家でもあるようです。鹿嶋家へ養子に入られたために鹿嶋姓となられたそうです。
「はぁ」と、ため息が出るほど、直径60cmもある紀州松が土間の吹抜け空間に存在感を示し、差鴨居も、その成60㎝以上。
後は静かにその佇まいを拝見するのみでした。
ちょっとした壁の奥行きを生かし、一輪挿しの花を飾ってあったり、各部屋に炉が切ってあったり、壁1枚、建具1枚を隔てたプライバシーの中で、どのような生活が営まれていたのか興味深いものです。
この建物の維持管理には、さぞかし手間とお金も掛かることでしょう。 現在の頭首さんは道を隔てた隣にこれまた立派な住まいを建てられ住んでおられるそうです。
そんな佇まいの一角に現在工事中の現場と、ほんのちょっとだけ雰囲気の似た場所を発見。
管理人さんに、今近くで、これこれこんな家を触らせて頂いているんですよなんて言う話をすると、「どこ?」って詳しい場所を聞かれましたが、実は今触らせて頂いているお住まいも築100年以上、歴史上の一族に所縁のある住まいと伺っています。
土間の上空に圧巻の直径60㎝の紀州松の梁が龍のように舞っています
こっそり2枚並べてみましたが、雰囲気の似た?工事中の現場と永富家の名前の無い部屋
どちらもアールの開口部の向こう側の右手には庭が広がっています。永富家の奥行きの浅い飾り棚と地袋。地袋の建具は縁の無い坊主貼りに建具の一部を凹ませた切り引手が使われています。坊主襖に切り引手、実はこれも共通事項であったりします。又アールの開口部の左側の壁面、床まで塗り仕上げとするのでは無く、杉板を張り意匠性を持たせています。と独り似てるなあと関心してしまったのでした。
決して、「どこが?」とは突っ込まないで下さい。(笑)