兵庫、京都、大阪で誠実に、丁寧に木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所

Blog

兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

あて木を使う

「あて木」とは、かなり癖の強い木で自ら進
んで使いたいと言う人は、そんなに多くない
のではないでしょうか?

山の斜面に植わっている木は、最初は斜面に
対して垂直に伸びようとするのですが、その
内、地球の重力に従う方が楽なために地球に
対して垂直に成長します。

そうすると木を建築用材として使える程度に
まで育った木は根元の方で大きく湾曲した形
になります。

このような木を「あて木」と呼びます。この
ような木は真っすぐになろうとする力が働き
やすいので、構造材として使うには、木が動
くリスクを覚悟しないといけないため使いに
くい材料となります。

しかし、逆にその力を利用した使い方をして
いるのが、今回紹介させていただく写真のよ
うな用い方になります。

水平に伸びている長い腕木の下を支えるよう
に入れ、あて木が真っすぐになろうとする力
を利用し、腕木が垂れ下がってくるのを防ぐ
役割を担います。

昔の人って面白いことを考えたもんだと思い
ます。

Narito Ashidaあて木