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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

割合

前回の「内窓」の回では窓が、
最も熱の出入りの多い部位だと
紹介させていただきました。

熱の出入りと表現するよりも
「エネルギー」の出入りと表現する方が
分かりやすいかもしれません。

例えば、冬部屋を暖めるために
暖房をつけた場合では、
暖まった部屋の空気(エネルギー)が
殆ど窓から逃げていると
お伝えすれば分かりやすいと思います。

では、その割合がどの程度かと言うことを
図を使って提示してみます。

上の図は平成4年省エネルギー基準で
建てられた家の場合の例です。

左の図が冬季、右の図が夏季になります。
冬季では暖められた家のエネルギー全体の
48%が窓から逃げて行くことを示します。
又夏季では外の暑い熱気(エネルギー)が
71%も窓から入って来ることを示しています。
屋根、壁、床他の部位と比較しても
圧倒的な数字であることが、
これで分かりますよね。

当方で設計させていただいた、
最近の物件では前記事例よりも、
窓を含む建物全体の性能が良くなっているので、
その割合が改善され、
窓からの割合が33%程度に落ち着いています。

当然ですが、割合ですので
1カ所が改善されれば、
他の部位からの割合が増えます。

という事で表面積の大きな外壁からの
エネルギーが逃げる割合(熱損失割合)が
増え約44%になっています。

もっとも家全体で外壁が占める面積割合は
約50%あり、窓においては約9%しかありません。
このように面積が占める割合と比較すると、
窓の性能が上がったとしても、
やはり窓からのエネルギー損失の割合は
大きいことになります。

Narito Ashida熱損失