何故、樹を植えるか?
田舎に居れば、目と鼻の先に山があり、
田があり、自然が沢山あるように見えます。
いちいち樹を植えなくてもいいやん、
と言う方もいらっしゃるでしょう。
但し、建築行為即ち家を建てる行為と言うのは、
少なくともその自然を破壊する行為です。
だから破壊した分を少しでも
取り戻すための行為が樹を植え、庭を造り
と言ったことでもあると思います。
勿論、そう言った行為には
別の意味もあるとは思います。
なので、私は少しでも良いので
家を建てる方には樹を植えましょうよ
と言う提案をさせていただきます。
人工物のみに囲まれて暮らしていると
段々と疲れてきます。
若い方には、その感覚が伝わり難いかも
しれませんが、例えば都会のビルばかりで
囲まれた中でずっと居る方も、
時には羽を伸ばしに海外や地方に
旅行に行くと思います。
その行き先は殆どが山や海など自然の多い所に
行かれるのではないでしょうか?
多分、それは身体が自然を欲している
と言うことだと思います。
樹を植えると雑草が生えて面倒だ
と言う方もいらっしゃるのですが、
樹を植えるから雑草が生えるのでは無く、
雑草の種が他所から運ばれてきて
自然に生えるのですから、
樹が植えられていなくても雑草は生えます。
土に触れることで、本来人が持っている
野生の感覚を取り戻すことも出来ます。
泥パックなんて気持ちが良いではないですか。
敷地をコンクリートで全て覆いつくすのではなく、
少しでも良いので土や緑に触れる
或いは眺めるスペースを確保することで、
生活に潤いも生まれてくると思います。
世界的な建築家の安藤忠雄さんであっても
建物が緑に覆われたり地中に沈み
建築の存在感が無くなることを肯定的に
捉えられています。
建築が自然を破壊する行為である以上、
破壊した分は取り戻す必要がある、
と言うのが樹を植える理由であるとも言えます。