水勾配
「水勾配」と書いて、そのまま「みずこうばい」と呼びます。
建築には専門的な用語が多く、
初めて耳にする方には分かり難い言葉も多いと思います。
職人さん同士の会話を現場で耳にすると、
我々でさえ何のことを話されているのか分からないことも
極たまにあります。
この「水勾配」とは一見、フラットに見えるような
部分であっても、水平にしてしまうと、
そこに長時間が水が溜まったままの状態に
なるのを防ぐために、僅かに斜めに勾配を設けることで、
水が自然と流れる程度の緩い勾配のことを指します。
仮にごく少量の水が、そこに溜まったとしても
蒸発してしまう程度ならOKと考えます。
今回の写真は、その「水勾配」を現わすもので、
塀のてっぺんの部分になります。
おそらく完成してしまえば、
この高さで塀のてっぺんを見ることはありません。
奥に一段高くなっている部分がほぼ、
水平だとお考えいただくと手前の一段下がった部分が、
やや左に傾斜しているのが、お分かりいただけると思います。