兵庫、京都、大阪で誠実に、丁寧に木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所

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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

開けてみなけりゃ分からない

イエロー、グリーンと来たので

今回は「レッド」と行きたかったのですが

ある意味「レッド」な緊急出動で

「丁寧に暮らす家」の現場へ


緊急出動が掛かったのは

本日のタイトル通り、開けてみなけりゃ分からない

開けてみて初めて分かった、事態が発生したからです

IMG_7838.JPG

これを見て何も感じない建築関係者は居ないはずです。

土台の殆どが、やられちゃってました、シロアリに。

と言っても、これ数年前のシロアリによる食害の跡です。

当時、羽アリを目撃された住まい手さんが、

業者に依頼して薬剤を注入した痕跡も残っていました。

しかし今回開けてみて、ここまで土台の断面が

殆ど残っていない状態であることが初めて分かったのです。

写真は、しっかり形が残っているように見えますが

実際は中身がスカスカです。

写真、一番左手には2階の荷重を支える柱が写っています。

柱は、心もとない土台の上に載っているので

土台を何とかしないといけないのですが

土台を替えようとすると、

かなり大層に工事範囲を広げないといけないことになります。

そこで今回は幸か不幸か、この土台に乗っているのは

柱1本だけだったのに目を付けて

柱の「根継ぎ」で行きましょうと言う事になりました。

「根継ぎ」とは昔からある日本建築の技法の一つで

柱の足元だけを一旦切り落として挿げ替えるやり方です。

雨で腐った柱などにも、この「根継ぎ」を施すこともあります。

もっとも、私は発案だけで、作業は大工さんにして頂くのですが

そういう解決策を知っていると言うことが、設計者にとって

大事だと思うのです。

ダメになっている土台は柱の両側の部分で切り落とし

新たに挿げ替える柱を、コンクリート基礎に直接載せて

構造を安定させる狙いです。