開けてみなけりゃ分からない
イエロー、グリーンと来たので
今回は「レッド」と行きたかったのですが
ある意味「レッド」な緊急出動で
「丁寧に暮らす家」の現場へ
緊急出動が掛かったのは
本日のタイトル通り、開けてみなけりゃ分からない
開けてみて初めて分かった、事態が発生したからです
これを見て何も感じない建築関係者は居ないはずです。
土台の殆どが、やられちゃってました、シロアリに。
と言っても、これ数年前のシロアリによる食害の跡です。
当時、羽アリを目撃された住まい手さんが、
業者に依頼して薬剤を注入した痕跡も残っていました。
しかし今回開けてみて、ここまで土台の断面が
殆ど残っていない状態であることが初めて分かったのです。
写真は、しっかり形が残っているように見えますが
実際は中身がスカスカです。
写真、一番左手には2階の荷重を支える柱が写っています。
柱は、心もとない土台の上に載っているので
土台を何とかしないといけないのですが
土台を替えようとすると、
かなり大層に工事範囲を広げないといけないことになります。
そこで今回は幸か不幸か、この土台に乗っているのは
柱1本だけだったのに目を付けて
柱の「根継ぎ」で行きましょうと言う事になりました。
「根継ぎ」とは昔からある日本建築の技法の一つで
柱の足元だけを一旦切り落として挿げ替えるやり方です。
雨で腐った柱などにも、この「根継ぎ」を施すこともあります。
もっとも、私は発案だけで、作業は大工さんにして頂くのですが
そういう解決策を知っていると言うことが、設計者にとって
大事だと思うのです。
ダメになっている土台は柱の両側の部分で切り落とし
新たに挿げ替える柱を、コンクリート基礎に直接載せて
構造を安定させる狙いです。