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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

災害に備える住まいづくり 最終回

先日、初めてスマホのペイ払いで買い物をしてみました。

交通系カードは以前より使っていたのですが

スマホチャージやスマホ払いは初めてでした。

平日とあって、レジの後ろには誰も並んでおらず

店員さんも丁寧に説明して頂いたおかげで

比較的スムーズに支払い出来たように思います。



「最終回」

さて、「災害に備える住まいづくり」シリーズも

今回で最後になります。



水害、台風、地震に備える話をさせて頂きましたが

水害では高低差が、台風ではガラス被害や軒の出が

地震では耐震化や直下率の話をさせて頂きましたね。



「床上、床下で変わる対処法」

水害では床上浸水と床下浸水では、後の対処方法は

大きく変わります。

床下浸水で済めば、とにかく床下を乾かすことです。

只、下水などの汚水が混じった水害の場合は臭いが

落ちないため生活もままならないという事もありますが

そうでなければ、乾かすことです。

それに反して床上浸水となった場合

床材の撤去を始めとして巾木や壁も

やり替える必要が生じたりと被害は大きくなります。



「悪評はあっという間」

台風被害において屋根を重くすることも有効ですが

そうすると地震には不利になる、と言う相反する答えになります。

阪神大震災以降、屋根が重いと地震には不利になるということで

瓦業界は、少なからず影響を受けたと思います。

釘止めするタイプの瓦で耐力壁の量をしっかり確保してあげれば

そうでも無いと思うのですが、一度流れた悪評はあっという間に

世間に広がる例でもあると思います。



「その他の災害」

火事、土砂災害など考えられる災害は他にもあります。

沖縄の首里城が火災で焼失したニュースは世間を

騒がせましたし、沖縄の人々の心を悲しませましたね。

「木は燃えやすい」から木で再建するのは、止めましょう

とならないと良いと思うのですが・・・。



「木は燃えやすい?」

火災のニュースになると、あのようなセンセーショナルな

災害が注視され「木が燃えやすい」と言うイメージが

先行します。

只、焚火などで火を起こした経験のある方なら

ご存知かと思いますが、大きな丸太に火を近づけても

簡単には燃え広がりません。

小さい枝などから火を起こし、ある程度火の勢いが

広がった時点で、大きな木を入れていくと思います。



「木と鉄の燃焼試験」

木と鉄を同じ条件で加熱した時に

木は800℃で元の70%の強度を保っていたのに対し

鉄は500℃で元の50%の強度しか残っていなかった

と言う試験結果もあるようです。



「表面炭化」

又、木は大きな塊の状態では、表面だけが

炭化して内部に燃え移るのを抑止します。

簡単には燃え広がらないんですね。

火災のニュースなどで真っ黒な炭の状態になった

柱や梁が燃え残っているのは、これです。

しかし、木材以外の燃焼性のある物品などが

燃えてしまうために火災が広がる一因とも考えられます。



「まとめ」

木の家を造っている者としては、

「木の家は火災に弱い」と言う言葉には敏感に

反応してしまいます。

大きな断面で、不燃性の建材なども多く使われるように

なっていますので安心して木材を活用した住まいを

造って頂きたいと思うのですが

様々な災害に対応させようと思うと

時には矛盾も生じます。

立地条件、予讃なども含めて最も気にしておきたい

備えを考えたいですね。



「終わりに」

このシリーズも今回で一旦、閉めますが

又何かの折に、続きを書く機会がありましたら

続編を更新したいと思います。

次回からの内容は未だ決めていませんが

しばらく通常のブログ投稿になるかもしれません。



写真は先週末、未だ残っている紅葉を求めて

近場であっちこっち行った時のものです。













Narito Ashida