兵庫、京都、大阪で誠実に、丁寧に木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所

Blog

兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

災害に備える住まいづくり その8

先日、筋トレにはまる中高年が増えている

と言うニュースを観て、自分も当てはまっているなあ

と思わず見入ってしまいました。

継続することで確実に結果が目に見えることが

はまる理由と言うのを聞くと

妙に納得してしまいました。(笑)

「地震に備える」

さて、今回は「地震」に備える話です。

地震に備える、と聞くとまず思い浮かぶのは

「耐震」と言う言葉では無いでしょうか?

実際に手っ取り早く取り組みが出来るのも

建物を「耐震化」することです。

「耐震化以外の方法」

「耐震」以外に何かあるの?

と言う方もいらっしゃるかもしれませんが

「免震」や「制震」と言う方法もあるのですが

仕掛けが大層になるために、

又、別の機会にお伝えさせて頂きます。

「在来工法 VS 伝統工法」

又、この話をすると「在来工法」VS「伝統工法」と言う

構図を描き出そうとする専門家もいるのですが

話がややこしくなるので、この話は一旦、

横に置いておき、

現在、最も世の中に普及している「在来工法」を

中心にお話しします。

「耐震化とは」

では、住まいを耐震化するにはどうするか?

と言うと、「耐力壁」と呼ぶ壁を家の形状や面積に応じ

定められた量以上、確保することで「耐震化」出来ます。

耐力壁とは認定を受けた耐力面材と呼ぶ板材を

柱や梁に釘などで打ち付ける方法や

筋交い(すじかい)と呼ぶ斜めの材を柱や梁の交点

めがけて掛け渡すことで成立します。

最も、在来工法の場合、耐力壁の下には

必ず基礎が必要になります。

「床や屋根面も固める」

又、壁面だけでなく床や屋根も同じように

面材で固めておくことも耐震化を考える上では

重要です。

「力の伝達ルート」

そのように固められると、固められた部分が

力を受け流す役割を担い、最後は力を地面に伝達させます。

力を上から下へ流すと言う考えです。

2階建ての建物の場合、屋根から梁、柱、壁、床、

そして下階の梁、柱、壁、土台を通じ

基礎を通り、地面へ流れていくルートが出来る訳ですね。

これらを連想して構造計画が考えられていることが

重要なんですね。

「吹抜やスキップフロアは構造上不利」

ですので、大きな吹抜やスキップフロアなどは

見た目の格好は良いのですが、構造計画の上では

不利になります。

吹抜にすることで力を伝達出来る床の経路が

限定されます。

スキップフロアにすることで、力の伝達経路が

複雑になります。

(スキップフロアは半階ずつずれたような

空間構成です。)

「とは言いながら」

とは言いながら、私自身も吹抜のある家を

沢山、設計しています。

しかし、それは前述の力の流れを頭に入れた上で

検討していることですので、力の流し所を

踏まえたうえで裏付けをしています。

問題なのは、その意識無しに

格好良いから、と言う理由だけで

吹抜やスキップフロアにすることなんですね。

「次回は」

さて、次回も「耐震化」の話をさせて頂こうと思います。

実際の地震被害の報告に基づいたお話になります。

お楽しみ下さいませ。

Narito Ashida