住まいづくり便り
私共では住まいの床下を健康的につくる事を常に考えています。例えば床下は常にメンテナンスを意識して、人がそこに入って作業できる様に基礎の高さを設定する事もその一つですが、床下を風通し良くするのも当然の事、で最近ではどこも当然のように基礎パッキンと言う左写真の土台の下に写っている黒い物で土台と基礎との間に隙間を空けて(隙間はおおよそ2cmです)その間を風が通り床下を常に乾燥させようと言う仕組みです。この方法は随分と以前からあったようで、栗の木を基礎と土台の間に挟んで「猫土台」と読んでいたようですが、最近では樹脂製の物、ステンレス製の物なども出ています。所がこの基礎パッキン意外と沢山必要なんで本当に床下の換気量が足りているのかなあと思い、計算してみるとやや不足気味であることが判明、そこで基礎に丸パイプで穴をあけて床下換気口としてパッキンと併用しています。これで床下の換気量を確保しています。
また原則、土台下場の防蟻処理を施す事はありませんが、現場の状況により止む無く基礎高さも十分取れず、敷地周辺の状況等から必要と判断した場合には下の写真のように大日本木材防腐から販売されているモクボーペネーザーブと言う物を使用しています。
ホウ素系化合物と言う化学物質ではありますが自然界にも存在するもので、医療用(眼科では目の洗浄にも使用されるようです)にも使用されるような物を主成分とする液状の物です。誤解を招くといけないので付け加えますが、この商品自体が医療用に使われているわけではなく、ホウ素が医療用に使用されていると言う事です。
使用は水で希釈し噴霧器等で施工するだけですので特別な技術は必要ありません。
但し、モクボーペネザーブは社団法人日本しろあり対策協会(JTCA)、社団法人日本木材保存協会(JWPA)の認定薬剤ではありません。その理由はこちらから
又使用に際しては、ベトつきますので、施工時に大工道具等は綺麗に片付けて道具にはかからないようにする必要がある事、木材がやや黄色く変色するので化粧面に使用するとその差が目立ってしまう事、一旦施工部分をシロアリが食す必要があり、それを巣に持ち帰り巣ごと全滅させると言う物ですので、誤った解釈で使用しない事が注意事項として挙げられます。又同社からは、ホウ素系化合物を用いた違うシステムも販売されているようですので、興味のある方は覗いて見て下さい。
町を歩いていると時々、大工さんがオレンジ色の防蟻剤を土台下端に塗っているのを見かけますが、あれらはみるからに体に悪そうで、ツーンとした匂いがします。代表的なものを一つあげると、ビフェントリンと言う化学物質を主成分とする物でこれは化学物質排出把握管理促進法と言う法律で第二種指定化学物質に指定されています。これに指定されていると言う事は発ガン性や催奇形性の疑いがぬぐえ無いと言うことを言われている物ですので出来ればこれらの使用は差し控えたい物です。