直下率
ちょっと気になった記事から
本日の建築系情報サイト ケンプラッツ に少し耳慣れない言葉があり、目を通してみました。
「直下率」と言う言葉です。
直下率とはすなわち、木造住宅において1階と2階にあるそれぞれの柱がどれくらい平面的に同じ位置にあるかを示す割合の事を指すようです。
と言葉で説明しても分り難いので少し、稚拙ながらラフな図を描いてみました。
上の図では梁を挟んで1階と2階では、同じ位置に柱があります。しかしこの状態でも柱や梁は建物自体の荷重(固定荷重)と屋根に乗る瓦や、壁の重み、中に入る荷物や人tの重みを(積載荷重)を支えていますので小さな梁材を使っていると、長い期間の間に梁自体がたわんでくる可能性もあります。
次にこの直下率で問題となっているのがこのように、上下の階で柱の位置が違う場合です。この場合は前述の荷重以外に柱自体によって梁に荷重をかけているので前者の図よりも梁は余計にたわみやすくなる訳なんですよね。
建築系の方には簡単な事なんですが、ここまで図にすると一般の方にもその違いって分って頂けるのではないかと思います。
でその直下率が低下するって事は1軒の建物で後者の図の個所の割合が高くなっていると言うことなのですが、その割合が50%を下回ると事故の発生確率が高くなっていると言うデータが紹介されているのですが、
このようになるパターンって容易に想像できます。
柱の無い広い空間の1階リビングの上階に小さな個室を配置するような場合
田の字型平面の間取りの上階に田の字では無い間取りが乗る場合
など数えればきりがありませんが
厳しい意見を述べますと
直下率のチェック云々よりもまず、意匠設計者であっても木造の設計をするなら伏図を描けと言いたいのが正直な気持ちです。
伏せ図を描くということは必然的に材料をどこで継ぐからその下には必ず柱が必要と言う事が判明するはずですし、それが無理ならどうしようか別の方法を考えなければならなくなります。
又、描き方次第で1枚の伏せ図に上下階の柱の位置をプロット出来るようになるので、必然的に直下率が上がって来るようにように思うのですが
木造在来工法の長所に間取りの自由度と言うのがありますが、何を履き違えているのか自由すぎて成立していないプランと言うのもあるようですし、なによりも伏せ図はプレカット図任せと言う意匠設計者の多い風潮がこのような事態を招いていると思えます。
今現在、4号特例の廃止がそこまで迫っている状況でさて、これに対応するにはそのような意識の改革が必要なのでしょう。
4号特例とは、木造住宅の大半がそれに該当していて、建築確認申請時に構造の審査が省略されると言う特例があります。これを概して4号特例と呼んでいます。