山+山+山+山
ようやく梅雨明け。
からっと照りつける太陽が懐かしい、そんな8月になりました。
めでたし、めでたし!(とは言うものの、実は夏って、そんなに得意な季節ではないのですが、でも基本的に汗をかくのは好きです。)
そして、上棟後およそ1週間後の「宍粟市山崎町の家」では屋根仕舞に向けて大工工事、電気工事が行われています。例によって室内は垂木を現しにした仕様ですので、完全に屋根を塞いでしまう前に、天井につける照明器具の配線を先行させておく必要がある訳です。
垂木を見せずに普通に天井を張る場合は、電気工事をこんなに早くしてもらわなくても済むのですが、この仕様の場合はどうしても先にしておかないと配線が露出して不細工になりますので、毎度の事です。
所でこちらの敷地は住宅街の少し建て込んだ中にありまして、周囲をアパート、屋根付きの賃貸ガレージでしっかり3方を囲まれ、そして敷地形状がL型と言う、少し難解な土地です。
もしかしたら、ハウスメーカーの既成案ではとても太刀打ちできない、そんな場所です。
計画の際に検討した事。
道路から少し引きを取ってアプローチにゆとりを持たせる事。→引きのスペースは駐車スペース+高低のある緑で変化を付け、玄関に到るまでに豊かさを感じられる空間を演出する。
L型敷地の南北軸を生かした計画にする事。東西軸主体にした場合、道路からかぶりつきとなる事、敷地の北側のみが大きく空いてしまい、庭以外、使い道の無い空間となる事が考えられるため。
外観は大きな山、小さな山を計4つ集め、それらを上手く組み合わせる事で、切り妻の綺麗な集合体をつくり、南北の間を取り持つように風と光りを取り込む中庭で切り取っています。
手前の小さな山(平屋)と向こうに一番大きな山があり、その間に中庭を設けています。
屋根上で断熱施行しています。この場合、屋根が完全に葺きあがるまでには天井裏で断熱施行する場合に比較して2~3倍程度の手間と時間は掛かりますが、夏場の暑さへの対策はばっちりです。
2階は大きな核を長い廊下で結ぶプランですが、単純に歩行経路にしたのではつまらないので使える廊下にしています。
今から露天風呂に行ってきま~す、とでも言いそうなワクワクの廊下です。
そして、部屋の中から見える敷地西側の風景。しかし出来上がると、このシーンは拝めません。この面は壁になります。
夏場の西日はあまり沢山入って欲しくないので、ホドホドに。
山あれば谷あり、と言う事で山どうしが90度に交わればこのような部分が出来ます。
谷木(たにぎ)と言うものです。
瓦で屋根を葺く場合昔は、この谷の部分を銅板で樋として葺かれている事が多かったのですが酸性雨などの影響を受け銅板に穴が空き雨漏りに繋がると言った事例が多かったようです。
現在では、それをステンレスにする事で随分とそう言った事例も減っていると思いますが、如何ですか?
瓦葺の屋根のお宅、一度お確かめ頂くといいかもしれません。