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欠陥住宅

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先日お昼のテレビ番組で欠陥住宅について触れていました。その内容は北海道のとある鉄筋コンクリート造の住宅についてでしたが、図のようにフラットな屋根の防水の納め方が悪く、一番上の図のように屋上に防水の高さよりも高い位置まで積もった雪が解けて、防水と建物本体との間から溶けた水が浸入したために、部屋の天井や壁はカビだらけと言った物でした。

 

北海道に於いては、本来ならこうしなければいけないという事で解説されていたのが、その下の図ですが、防水の位置は雪が積もる高さよりも高くし、反対側の外壁が立ち上がってくる位置も防水を折り返さないといけないと言うことでした。

 

いずれにしてもコーキング頼み(コーキングとは防水、止水性のあるゴムのような物です。)の納まりなので、それが劣化して切れてくるとまた水は浸入してきますので、出来ればそれに頼らない納まりにすべきだと思って、経験から過去の事務所時代に採用していたのが一番下の図の納まりです。防水が立ち上がった所にはコンクリートの返し(アゴと呼んでいましたが)があって、上からの雨に対してはこの部分が守ってくれるようになりますので少々、コーキングが切れても大丈夫です。但し北海道と言う土地柄には不向きなのかもしれません。

只、思ったのは北海道と言う雪が沢山降る土地のしかも住宅と言う用途の建物に何故、フラットな屋根を採用したのか?と言う事です。よっぽど屋上の利用価値があるなら、まだしも根本の所で間違ってはいないのかと言う事です。

住まいは地域の気候風土と言うのをしっかり考えないといけません、私が住む地域では同じ近畿の京阪神地区よりも雨や雪は多い所ですので、やはりフラットルーフと言うのは避けるべきと考え、できるだけ自然に雨は流せるように屋根勾配を決定しています、増改築などやむなく緩勾配の屋根にしなければいけない時には、絶えず心配が付きまとい気がきではないのですが、それにしても但馬方面の施主さんは、よく都心部の設計者の方に仕事の依頼をされているのを耳にするのですが、丹波よりもまだ更に雪が降る地域でもあるし都会の感覚で住まいを考えられては困ると言う事をしっかり最初に伝えられているのか?と他人事ながら心配しています。