天井の高い家
某大手ハウスメーカーが、天所の高い家が良い と言う謳い文句でCMをしています。
あれは何を訴えようとしたした戦略なのかは
不明ですが、天井の高い家を売りたいことだけは
間違いなさそうです。
日本では一般的に天井高さは2.40m程度が
標準とされているようですが、明確な基準が
存在する訳ではありません。
建築基準法では居室の天井高さは2.10m以上
確保することが謳われています。
居室とは長時間継続的に使用する部屋のことで
居間や寝室などを指し、トイレや洗面脱衣、廊下などの
短時間の使用で済む部屋は該当しません。
私共では構造材をそのまま見せるため基本的に
1階は天井を張りません。
従って掃出しサッシの高さ+梁成が天井高さとなります。
おおよそ2.30m~2.50m位の天井高さです。
今年、竣工したお住まいでは2.35m程度でしたが
梁成の分だけ構造材が下に下がってきます。
それでも、何だか落ち着く感じがしました。
因みに、住まい手さんご主人の身長は1.80m以上で
私は1.76mで、そのように感じていますので
決して窮屈な感じでは無いと思いますが
感じ方は人によって違いますし
天井の高い開放的な家も設計しています。
一つ言えることは家中どこに行っても天井が
高い家では、その有難さを実感できません。
そのため、わざと天井の低い所も作っておくと
高低の差でより高さが引き立つために、
高さの有難さを実感できると言う事です。
建築家 故 宮脇檀さんは
「天井髙の高いのは成金趣味」と書かれています。
名作とされる住宅は何故か階高を抑えた
コンパクトな物が多いように、やはり
建物の高さって重要なんです。
棟が上がった時に、そのシルエットや
バランスを見ると意外に、その家の落ち着きが
想像出来ます。
もっと言えば矩計図の段階でも、
想像を巡らすことが出来るのですが、
それは我々だけの特権と見るべきか?
自己満足と捉えるべきか?
完成した家だけが全てを語ります。
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