兵庫、京都、大阪で誠実に丁寧に木の家をつくる芦田成人建築設計事務所

View Original

1/4

本日の定例打合せと重なり、ハーフユニットバスが搬入組立されました。 うっかりと組立完了後の写真を撮り忘れてしまいましたが、当方では外壁面以外にも断熱施工を施しています。

これは浴室に限らず水回りと居室を隔てる界壁面に施しているのですが、近ごろは浴室などもFRP素材などでユニット化されており、普通に壁を造っただけでは使用中の水跳ねの音などが居室側にも響いて漏れてくるため音留め効果を期待していることと多少の保温効果も期待しています。又使用する断熱材が繊維系の場合は水分を含んでしまうと一気に性能が落ちてしまうために防湿層としてフィルム施工をしています。これは同時に気密層にもなる訳ですが、近ごろはこの気密を取りたくないと言う造り手もいます。

どちらが良いと言う議論は、ここではしませんが、繊維系でなくとも断熱材が濡れてしまうと、どうなるのか?人間の体内からは毎晩コップ1杯分の汗が発せられたり、煮炊きものをすれば大量の水蒸気が室内に発生します。これらを極力、断熱材とは隔離したい訳です。

外壁側に通気層を取れば、そんなのは簡単に抜けると言う方も居るのですが、ダウンジャケットが水を吸ってしまった場合、放置しておいて簡単に水分が抜けないのと同様に、一度水を吸った断熱材が壁の中に閉じ込められている状況で、何もしないで簡単に水分が外に抜けるとは思いません。ましてや透湿抵抗の高い構造用合板を使っていれば尚更水分は外に排出されにくくなります。これは繊維系でなくとも同じで発泡系の物も簡単には乾きません。実証済です。現場発泡の物でも同じです、気泡がある限り水分を吸います。

このような考えから防湿施工をするようになったのですが、これ即ち気密施行にもなっています。但し、断熱材の厚みは最先端の高断熱高気密住宅をされている方からすれば薄いかもしれませんが、中途半端な断熱施工をしている所よりはしっかりとしています。勿論、2020年に義務化予定の省エネ住宅基準は軽くクリアしています。

このようなことから、使う材料も以前とは嵩が増え、性能を上げています、サッシもその基準は超えられるように仕様を上げています。住宅を取り巻く法令も以前とは変わってきているためにコストアップにならざるを得ない部分もあります。

見える部分のデザインだけでなく、見えない部分も丁寧に造っているからこそお見せできる、工事中の現場写真でもあります。

ハーフユニット img_9439