兵庫、京都、大阪で誠実に丁寧に木の家をつくる芦田成人建築設計事務所

View Original

坪単価いくら?

最近、時々ある「坪単価いくら?」的質問。 この質問を電話だけで唐突にされる方がいらっしゃるのですが、これを知った所で何かと比較が出来る訳ではありません。

例えば100坪5000万円で出来た家なら坪50万円、30坪2400万円で出来た家なら坪80万円となる。(これらは、あくまでも例なので実際の金額とは異なります)

単純に坪単価比較すると、前者が圧倒的に安く思えますが、果たしてこの方は100坪の家を建てようとしているのか?

そのような方は、極まれで殆どの方は、その半分以下面積のお住まいをお求めかと思います。100坪の家と30坪の家が同じ天秤に載るかどうかは、考えれば分かりますよね。

そして、坪単価の中には何をどこまで含んでいるのか?安く語りたければ、ある項目をガバッと引いてしまえば坪単価は簡単に下がり、それ以外はオプションのような扱いとなる事だってあります。

坪単価と言うのは内容があって始めて比較になる訳で、内容も無く比較をするのは人の価値を顔で判断するのと同じことです。

限られた予算の中で、どうすればいいのか?

皆さん悩まれていることは同じですので、そのように質問したいのは分かります。只、電話口で唐突にこのような質問では、八百屋の店先で「この野菜いくら?」と聞いているのと何ら変わりません。(対面販売が少なくなった現在、このような販売形態が減っているため例えが伝わりにくいかもしれませんが)

物事には順序と言うのがあるように、家づくりにも順序があります。インターネットだけでは分からないこと、沢山あります。手間を惜しまずに足を運んで生の情報を手に入れることがどれだけ有効かと言うのは明らかです。

家づくりに必要なお金には建築費以外にも多々あり、それらは一律に決まった金額ではありませんので都度、シミュレーションして資金計画を立て、このまま進んでも大丈夫か否か?

それには、こちらもこの方がどんな暮らしをイメージされていて、何を欲されているかを知る必要があります。

「私、病気っぽいんだけど、先生私は何の病気ですか?」と電話で聞く人はいないと思います。

無意味な比較をすることに意味を感じませんので最初の電話での、「坪単価いくら?」的質問にはお答えしかねます。