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オマージュ?

古民家リノベーションの現場には殆どの箇所に建具が入りました。

メインとなるリビングダイニングの南面には内障子を設けています。

障子も様々なデザインがありますが、今回採用したのはより繊細な細い組子(くみこ)障子です。

組子とは女性の名前ではなく障子の桟と呼ばれる部分のことです。

このようにしたのは、この古民家には「差し鴨居(さしがもい)」と呼ばれるものが無く、存在感のある、ごつい丸太梁は空間の上の方に存在し上部を重く、下部を上品に軽やかに見せようとの思いからです。

差し鴨居とは、建具の上にある梁のことで梁に直接、建具を滑らせる溝を設け、昔は構造的にも意味のある材料でした。これがあることで力強さがより空間の下へ降りてきます。重心が下がるとでも言うべきでしょうか?

丁度、設計時に見学していた、東京国立博物館法隆寺宝物館や京都国立博物館平成知新館の印象も少し刷り込まれていたのかも知れません。

最近話題のパクリでは無く、オマージュとでも呼ぶべきかも知れませんが、このようなデザインは昔からあったもので、桟の細い太い、ピッチ、横桟を入れるか、どの位置に設けるかなどで全く違った印象に仕上がります。

この内障子は戸袋の中に隠れているので障子を開けた時には、存在が無くなります。 内障子 現場に入った内障子 差し鴨居 存在感のある差し鴨居のある風景 京都国立博物館 京都国立博物館平成知新館