コンクリート検査
木の住まいづくりを・・・とは言っても、基礎部分はコンクリート造の建物と同等に扱いますので、当然その部分についても検査が重要になる訳で、今回のエントリーではその部分について少し触れてみます。
写真は福知山の家の基礎コンクリート打設前に行うコンクリートの受け入れ検査をホワイトボードに結果を書き込み写真に撮ったものです。
一般に皆さんがミキサー車と呼んでいる車の正式な名称はアジテータトラックと言います。まず現場にやってきたこのアジテータトラックから検査に必要な分量のコンクリートだけを取り分けスランプ、フロー値、空気量、塩分、コンクリート温度、破壊試験用のテストピースの採取等の試験を行います。
スランプ試験とはまだ固まっていないコンクリートの作業性を試験する方法の一つで規格寸法を決められた筒の中にコンクリートを詰め込み、その筒を引き上げた時にどれだけ、コンクリートが崩れるかを図ります。今回の指定値は15cmで試験結果もジャスト15cmで合格。
ホワイトボードの3段目に18-15-20Nと言う文字が見えると思いますが最初の18はコンクリートの設計基準強度で打設後、4週目でこの値を上回っていればOKなのですが、この時期は気温が暖かい事もあり、ほぼ1週目で所定強度の90%近くまで強度は発揮します。
で、その二つ目の15が先に説明していますスランプ値となります。世間でも一時問題となったコンクリートの加水問題など何かと心配な事柄も多いだけに疑うわけではありませんが気を揉みます。
で、この写真は先日、現場打ち合わせの前に途中にある生コン工場に寄ってコンクリート打設後1週目の破壊検査に立ち会ってきました黒板の左に大きなネジ山が見える機械が圧縮検査機で最初に写っている6体の黒い円筒形の物を現場から工場に持ち帰ってもらい翌日に脱形し、工場の試験室(どこの生コン工場にも試験室はあると思います。)にある水槽の中で養生させておき、この機械の上に乗せて上からじわじわと力を加え圧縮させ試験体が破壊した時の荷重を読み取ると言った試験です。右にあるのがその荷重を読み取る為のメーターで赤い針と黒い針の2本の針が一緒に動いていき材料が破壊すると赤い針はその位置で止まり、黒い針は元に戻っていく物です。どの工場もまだキロ表示の物を使っているので、現在のニュートン表示に直す為にメーターの横には換算表を備えています。
で結果は指定強度18N/㎜2に対し、3対の平均16.3N/㎜2と1週間で約90%の強度が出ていました。打設後4週目に再び立会いですが、コンクリートの強度としては、ほぼ問題なしと思います。
これを全て説明していると、とんでもなく長くなりそうですので今回はまずはここまでにしておきます。