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本体価格

先日、一般ユーザー向けの住宅雑誌をめくっていた所、「本体価格」と言う文字がありました。 つい最近まで、この手の住宅雑誌は「本体価格」を使わなくなったなあと思っていたのですが、消費税の影響か、何とか安く見せようとする手段なのか「本体価格」が復活したように感じます。

では、「本体価格」とは何なのか?と言いますと厳密な取り決めはありませんので、一般に「本体価格」と呼ばれているものの簡単な説明を

住まいには生活に欠かせないインフラ設備が必要です。インフラ設備とは、電気、水道、ガスなどのことです。

これらの給排水管や引き込み配線などは建物から屋外へ、もしくは屋外から建物内へ行き来する訳ですが、これらを含め建物とその建物から1.0mの範囲までを本体、それよりも外にあるものは本体外とされることがあります。そしてそれらは決して安い額ではありません。試しにあなたがお住まいの市のホームページで新規で水道管を引き込む場合の費用がいくらかかるのか調べてみて下さい。13㎜若しくは20㎜と言う口径で数十万円は必要なはずです。又下水管を本管へ繋ぎこむにしても、上水道よりも高いケースが多いです。

つまり本体価格だけでは、生活インフラが繋がっておらず、生活は成り立たないことになるのです。

住宅展示場でも同じように「本体価格」と言う表示がされているかもしれません。

では何故、このような表示方法なのでしょう?

それは、建築立地や各行政により水道本管や下水本館への繋ぎこむための費用が全然違うこと、建物の建つ位置からそれらの管が埋まっている道路までの距離も物件毎で違うことがあり、一律に表現し難いことが考えられます。

しかし、住宅雑誌などは実際の総額が分かっているはずですので、あえて「本体価格」と言う表現をされると、何か勘ぐってしまうのは私だけでしょうか?