捨てコンクリート
6月に入り入梅前の晴れ間を縫って現場は進行しておりますがエントリーも滞りがちの間にこの状態よりも更に進んでいますが、まずは解説から
写真は捨てコンクリートを打った状態で、捨てコンクリートとは基礎の強度とは直接関係無く、その基礎の下に文字通り捨てられるように打たれた厚みの薄いコンクリートでありながら、実はきっちりと役割は担います。
この上に作業の目安となる芯墨や基礎のふり幅の墨を打ったりするのも目的の一つですが、何よりも、コンクリートのかぶり(鉄筋のかぶりと言う場合もある)の下端の基準になるのが長所でもあると思います。
「コンクリートのかぶりって?」何と言う事を説明しないといけませんね!
鉄筋コンクリートの建物や木造の建物の基礎の部分は骨となる鉄筋と肉となるコンクリートと言う異種の材料によって形作られます。で鉄筋とは文字通り、鉄ですので大気中に放置しておくと自然の状態に戻ろうと錆び始めます。錆びると所定の強度を確保する事が出来なくなります。
一方コンクリートは、アルカリ性で、このアルカリの中で鉄が守られている事によって鉄筋の酸化が抑制される事になるのですが、守られていると言っても薄皮1枚で守られている程度では、酸性雨や酸性土壌の影響を受けたり等、諸条件によって鉄筋が酸化する可能性が高くなるわけです。
ですからある程度厚みのある肉(コンクリート)で骨である鉄筋を守ってあげないといけないのですが「コンクリートのかぶり」とは、この肉の厚みの事だと思って下さい。
このかぶり厚さは土に触れる部分では空気に触れる部分よりも厚く確保しないといけない等細かな規定もあります。
で、時々この捨てコンを省略している現場を見かけますが、そう言った現場では砕石を敷き並べ突き固めた上に基礎のコンクリートを打つ事になるのですが、この場合良く見ると砕石の面は凹凸が激しくどこから測ってコンクリートのかぶりを確保しているのかがはっきりしないので、如何なものか?と思っています。
従って、当事務所の場合は基礎の下端全面にこのように捨てコンクリートを打っています。