建築工事費は積上げ算
建築のコストはどのように決まるかご存知ですか? 基礎工事、木材工事、大工工事、電気設備工事、水道工事、内装工事、左官工事などなど、ここに挙がっていない、いくつもの各項目別に更に明細があって、その合計が工事金額即ち、建築コストとなって皆様の前に出てきます。
スーパーにお買物に行き、好きな物、目に付いた物を一杯、カゴに入れてレジへ持って行くと、「あれっ、思っていたよりも高かった」って経験無いですか?
と言うよりも、そのような買物の仕方をされる方のほうが少ないかもしれません。
「今日は、これぐらいで収まる様に、買物をしよう!」若しくは「これとこれと、あれが必要だから、これぐらいお金が必要だな」と言った感じで計画的にお買物をされる方が殆どではないでしょうか?
建築の場合も、これと同じ事が無意識の内に行われています。
しかし、上記のように無数の項目があり、しかも額もスーパーでのお買物とは桁違いな為に、コスト感覚が掴み難く、初めて経験される方には、どの程度にしておけば、自分達の予算で大丈夫なのか?その按配が分りません。
私達も、一円も違わずその按配が出来るか?と問われますと途中の打合せ段階では、まず不可能です。
但し、経験値と言うアバウトではありますが、当らずとも遠からじな、計算機を頭に置いていますので、このペースで行くと、大きく予算が超えるなあと言うのは感じ取る事が出来ます。
ここで、一つ重要な私達の役割は、アドバイスをして差し上げる事です。
このまま進むと予算は超えるだろうから、もう少し控えめに行きましょうかとか、Aのご要望ではコストも掛かるので、その代案のBにされては如何ですか?
若しくは、一応ご要望を伺いますが、もし予算を超えた場合は、この部分はご一考下さいね、と言った感じです。
たまにある誤解ですが、要望を伝えておけば全て、予算の中で叶えてもらえる。
と言った物ですが、設計内容により予算をコントロール出来る部分と、ご要望によって予算が左右される部分がありますので、後者の割合が大きくなればなるほど、前者の割合は小さくなります。
すなわち、財布の中のお金を増やしたり、不足分を根拠無く値切る事が、我々の仕事ではありません。
出来る限りの知恵は絞りますが、そこには限界もあります。
ですので、ご要望には優先順位をつけて頂く作業が重要になる訳です。
限られた予算、資源、何が今の若しくは将来の私達に一番重要なのか?
生みの苦しみではありますが、それをまとめる事は、ライフスタイルについて頭の中を整理する機会でもあります。
他人任せにせずに、これを乗り越えた方々のみが、素晴らしい住まいを手に入れる事が出来るのです。
少しだけ、頭に汗をかいてみませんか?