千年家
兵庫県には通称、千年家と呼ばれる古い住まいが2個所に残されています。 一つは神戸市北区の箱木家、そしてもう一つは姫路市安富町の古井家です。
千年前から建っていたと言うことではないそうで、どちらも室町時代の建築と言う事で、古くから建っている家の総称で「千年家(せんねんや)」と呼ばれているとの事です。
そして今月は、そのどちらにも足を運ぶ事が出来ました。
こちらは神戸市北区にある箱木家。ご覧のように軒先が低く大人の顔が隠れるほどで、中は当然薄暗く、土間にはカマドがあったようです。そして馬を飼っていた厩(うまや)と呼ばれるスペースがありました。構造は折置組と呼ばれる今の在来工法とは少し違った組み方をされていて屋根は束によって棟木を支える構造となっていました。こちらの建物の隣の現代民家には箱木さんの御子孫が現在も住まわれているそうです。
そして、こちらは姫路市安富町にある古井家。残念ながら内部の見学は週末のみと言う事で見る事は出来ませんでしたが、およそ10年ほど前にこちらを訪れた時の記憶では、箱木家と同じように土間と厩があり、なぐり加工された床板も一部に存在していたように思います。そして案内板には当初の屋根組みは扠首(さす)構造と呼ばれる、頂部で緊結した2本の材を、逆V字型にして横架材をささえる形にしたものだったそうです。
一見同じにように見える2つの建物も歴史を紐解けば、少しだけ建てられた年代に違いが見て取れると言う事で、私達の学ぶべき所は未だ沢山あります。