兵庫、京都、大阪で誠実に丁寧に木の家をつくる芦田成人建築設計事務所

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現地でのボランティアをお考えの方へ

支援の輪はどんどん広がり続けているように見えます。 そしてこれから現地にはボランティアの民間人が大勢入る事でしょう。もしあなたの周りに現地へボランティアで行くと言う方がいらっしゃるなら一つ気をつけていただきたい事がございます。これは建築分野からの発信です。

多くの家屋や建物は地震や津波で流され姿形を失っているかもしれませんが、しかしコンクリートの建物の中にはしっかり形を留めたままの物もございます。

ふと、そう言った建物へ立ち入りたくなるかも知れませんが、その前に、まずは建物の被災判定の表示があるかないかを確かめる事、そして何も表示が無くても、「せん断破壊」をしている建物への立ち入りは大変危険です。

「せん断破壊」とは、かいつまんで言うと致命的な破壊をしていると言う事です。

柱(外部から見れば柱なのか壁なのかはわかり難いかも知れません)にX型の亀裂が入っています。こう言った建物は姿形を留めていても余震で容易に倒壊の危険性もあります。

又そう言った建物の前で長時間滞在する事も避けて下さい。

阪神大震災ではそのような壊れ方をした建物も多くありました。

以下は日経建プラッツのサイトですが現在は無料で公開されています。

三木市のEディフェンスで行われたコンクリート建築物の加振実験の模様です。3つある映像の内、真ん中の2段目が、せん断破壊の様子をはっきり写しています。

「腰壁がついたために短柱になった柱」と言うタイトルが登場します。

腰壁とはベランダや廊下などのテスリのような部分を指します。

その部分と柱が鉄筋で一体化されているために柱の挙動を拘束し、結果柱に、せん断破壊をもたらしています。

映像の最後の方で柱に対して斜め45度方向に大きな亀裂がずばっと入り中の鉄筋がむき出しになる様子が映し出されます。これが柱の両方向から入ると、X型の亀裂となる訳です。

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20090831/535028/

せん断破壊イメージ

参考までに、せん断破壊のイメージ図を追加しました。赤丸印の部分のようにX型の亀裂が見て取れます。

阪神大震災の時の写真があれば最もわかり易いのですが・・・。

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