兵庫、京都、大阪で誠実に丁寧に木の家をつくる芦田成人建築設計事務所

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モジュール

建築で頻繁に登場するこの言葉ですが、これは
建物を設計する上で基準となる基本寸法のこと
を指します。

木造住宅では真っすぐな材料を使う場合、碁盤
の目のような正方形のマス目の上に設計するこ
とが多く、そのマス目の間隔をモジュールと呼
び、現在では910㎜と言う寸法が多く使用され
ています。

でも何故丁度1.0mではなく910㎜と言う中途半
端な数字なのでしょうか?これは昔使われてい
た尺貫法と言う単位に帰依すると思います。

1寸は約30.3・・・㎜、それを10倍した1尺が303.
333㎜になります。柱と柱の間を人が通れるよ
うにしようと思えば2尺でも通れないことは無
いですが、それだと少し窮屈になるので3倍し
た909.999㎜→910㎜と言うモジュールが生
まれたのではないでしょうか?

私が住む地域では985㎜と言うモジュールを良
く拝見します。これを303で割ってみると3.25
になります。

何故このモジュールが生まれたのかは不明です
が敷地に余裕のある地方では、少しゆとりを持
たせたのかな?と思います。910㎜モジュール
で6畳の部屋を造ると2730㎜×3640㎜、985㎜
モジュールで6畳間を造ると2955㎜×3940㎜と
なり面積では985㎜モジュールの方が1.17倍広く、
長辺の長さでは30㎝も長さが違うことになりま
す。

これくらいの違いがあれば、部屋に入った瞬間
に、その違いを感じることが出来ます。但し、
昨今の建材は910㎜モジュールか1000㎜モジュ
ールに合わせた物が多いため、985㎜モジュー
ルで建物を造ると1000㎜モジュールに合わせた
商品を少しカットして使わなければいけないと
言う手間が増えます。

もっともモジュールと言う概念に捉われること
のない建築も増えていますが、施工するには、
かなりの手間と努力が必要になると思います。