兵庫、京都、大阪で誠実に丁寧に木の家をつくる芦田成人建築設計事務所

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図面とは

一般的に家づくりには必ずと言っていいほど
図面が必要になります。ハウスメーカーの場
合だと10~20枚程度かと思います。工務店さ
んの場合は、その会社によって違うと思いま
す。では当事務所は、どうか?と言うと契約
図面と呼ぶ住まい手さんにお渡ししている図
面だけでA3サイズで約100枚程度になり
ます。

確かに基本的な内容だけ描いてあれば良いの
であれば20枚もあれば良いのかもしれませ
んが、注文建築の1品生産で、皆様のこだわ
り等を反映していくと図面の枚数は増えてい
きます。

又ハウスメーカーではプランは無料でしても
らえるのかもしれませんが、当方では有料で
す。何故、有料なのか?その違いは何なのか?
そこまで考えずに無料の方が良いやと思われ
る方は、そちらを選ばれると良いと思うので
すが、先ず無料で出来ることって多分、間取
りを描くだけ、しかもそれを考えるのは建築
士資格も無い営業マンだったりします。

当方では、間取りだけを考えるのではなく、
その場所でどのような生活が行われると快適
でずっと愛着を持って生活を送れるのかを考
慮し、間取りは勿論、模型や3次元表現のパ
ースと呼ぶ分かりやすいツールを使って提案
を行います。

初めて家づくりをされる方にとって、おそら
く間取りだけ見せられても、立体的なイメー
ジが何も想像出来ず、本当にこれでいいのか?
と言った判断が難しいと思います。そう言っ
た意味で3次元表現が出来ている模型は、そ
れらを補うことも出来ます。

話が逸れましたが、当方の図面が100枚程
度にも及ぶのは、私と住まい手さんのイメー
ジを現場の職人さんにも伝える必要があるか
らです。言葉でまとめることが出来るのなら、
簡単なことでしょうが、言葉を一言一句違わ
ず施工に反映することは至難の業ですので、
きちんと図面として表現しておかないといけ
ません。

又図面を描いている私が、直接工事をするの
であれば、もう少し図面の数は減らせるかも
しれません。但し、行き当たりばったりな仕
事をしていると、必ずどこかで工事の手が止
まってしまうことになります。

私の経験上、図面を検討している上で迷った
り、悩んだりした部分は、必ずと言っていい
ほど現場でも悩まれて、電話が掛かってきて
「ここ、どうしたらいいですか?」と尋ねら
れます。

従って図面の段階で必ず、そう言った課題は
解決しておく必要があります。私にとって図
面とは考え方をまとめた物であり、職人さん
への意志伝達手段でもあると思い、日頃の設
計に勤しんでいます。

今日の写真は、新築住宅の契約用設計図面で
す。A3用紙を2つ折りして製本されていて、
その厚みが、およそ2cmになります。ちょっ
と厚手の本くらいのボリュームになり、もし
これが小説なら読み応えのある感じがします。