あて木を使う
「あて木」とは、かなり癖の強い木で自ら進
んで使いたいと言う人は、そんなに多くない
のではないでしょうか?
山の斜面に植わっている木は、最初は斜面に
対して垂直に伸びようとするのですが、その
内、地球の重力に従う方が楽なために地球に
対して垂直に成長します。
そうすると木を建築用材として使える程度に
まで育った木は根元の方で大きく湾曲した形
になります。
このような木を「あて木」と呼びます。この
ような木は真っすぐになろうとする力が働き
やすいので、構造材として使うには、木が動
くリスクを覚悟しないといけないため使いに
くい材料となります。
しかし、逆にその力を利用した使い方をして
いるのが、今回紹介させていただく写真のよ
うな用い方になります。
水平に伸びている長い腕木の下を支えるよう
に入れ、あて木が真っすぐになろうとする力
を利用し、腕木が垂れ下がってくるのを防ぐ
役割を担います。
昔の人って面白いことを考えたもんだと思い
ます。