兵庫、京都、大阪で誠実に、丁寧に木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所

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兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

既製品と製作品

暫く続きました窓のお話も、今回で一旦締め
にしたいと思います。又思い出した頃に窓の
話が出るかもしれませんが、その時は宜しく
お願い致します。

当方の設計では室内に設ける建具は殆ど製作
品となるのですが、外気に面する窓や建具に
ついては最近では既製品が多くなりました。

その理由は、外気に面する部分の建具では、
気密性や断熱性が要求されるようになったか
らなのですが、では製作品では気密性や断熱
性を確保できないかと言うと、そうでもない
んです。

但し、その性能を数値化し難いため外皮計算
を求められる現在では採用することも難しく
なったと言うことになります。

製作品を気密化しようと思うと開閉する部分
と枠が触れ合う部分にゴムのパッキンのよう
な材料を使用することになります。ピンチブ
ロック株式会社と呼ぶ会社の製品が建具の気
密部材としては有名で、色んな形状の部材が
販売されています。

その他にも錠前金物や開閉部材、引手金物な
ど1枚の建具でも様々なパーツが必要となり
ます。

1枚目の写真は3枚ある内の真ん中が横にス
ライドする既製品の建具です。両サイドはF
IX窓になります。既製品のこの建具は、下
に向いているレバーをグルッと回転させて上
向けになると施錠が開錠され、窓が横にスラ
イド出来るようになっています。気密性、断
熱性も非常に優れていて少し高価ですが最近
の設計では良く採用させていただきます。

又2枚目の写真の窓は事務所開設初期の頃の
お住まいで、製作建具です。壁の外に設けた
戸袋の中に、このガラス戸が収納されてフル
オープンに出来ます。そして外には網戸も仕
込んであるため虫は入り難くなっていますが、
この頃は開閉のし難さに配慮してピンチブロ
ックなどは使っていなかったため気密性の点
では劣ることになります。

実はピンチブロックを設けると建具同士や建
具と枠の間の摩擦力が高まり、又ゴムが間に
挟まる訳ですので、少し開閉操作が窮屈にな
りやすいと言う特徴があります。