兵庫、京都、大阪で誠実に、丁寧に木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所

Blog

兵庫県丹波市を拠点に誠実に、これからの木の住まいづくりに向き合う芦田成人建築設計事務所 芦田成人のブログです。

建物の点検方法 その5

これまでは外部からの点検方法でしたが、
今回からは内部の点検方法になります。

最も一般的な点検方法は床下や天井にあ
る点検口を開けて覗き込む方法ですが、
私が床下点検口から床下を覗き込む際に
注意しているのは、開けた瞬間の床下の
匂いです。

何故、開けた瞬間なのか?ニオイって最
初の一瞬が一番強く嗅げるのですが、よ
ほどきついニオイでない限り、徐々に慣
れてしまって分からなくなることもある
からです。

カビ臭いニオイの場合は要注意です。カ
ビ臭いと言うことは床下の湿度が高く木
材を腐らせる木材腐朽菌が繁殖する条件
が整いやすい環境にあると言うことで、
それは即ちシロアリを呼びやすい環境で
もあると言うことです。

木材が腐朽する条件として、温度、湿度
(水分)、酸素、栄養分、があります。
これら4つの条件が整うと木材を腐朽さ
せます。逆を言えばこれら4つの条件の
内、一つでも整わなければ木材は腐朽す
ることはありません。

但し、4つの条件の内、コントロールで
きるのは湿度(水分)のみですので、床
下は出来るだけ乾燥させておくことが理
想です。

先日、とあるお住まいの床下を拝見した
所、床下が一目でわかる程度に水浸しの
状態でした。しかし、住まい手さんは、
そのことには気付いておられず、私が指
摘して初めてその状態を知ったとのこと
でした。

その時は耐震診断業務のみでしたので、
状態だけをお伝えしましたが、その後
どうされているかは今の段階では分か
りません。勿論、そのまま放っておく
とどうなるかはお伝えしました。

当方でも相談していただければ、その
状況を解消する策を講じることは出来
ますが、勿論仕事ですので費用はいた
だくことになります。そのこともお伝
えはしましたが、もし、普段からお付
き合いのある業者さんが居らっしゃる
のであれば、そちらに相談していただ
いても良いですよともお伝えしました。

その状態を放置しておくと、木材が腐
朽することは勿論ですが、住んでいる
人の健康状態にも影響を及ぼすことも
ありえます。水分を含んだ木材に発生
する木材腐朽菌が木を腐らせると、や
わらかくなった木は食べやすくなるた
め、それを目当てにシロアリが発生す
ると言うメカニズムです。

湿度が高くなり過ぎるとカビも発生し
易くなり、カビ菌を吸い込むと人体に
も影響が及ぶこともあります。

特に床に近い距離ではいずりまわり、
行動するような小さなお子様がいらっ
しゃるご家庭では注意も必要です。

又本格的に床下に潜るのであればマス
クも必需品となります。長くなりまし
たが、一先ずご自身でも確認されるな
ら床下点検口や床下収納庫を開けて、
床下のにおいや状況を確認するのが、
手始めとして出来る点検方法になりま
す。

床下点検口も床下収納庫も無いお住ま
いの場合は、和室の畳を上げて、その
下の板もめくって床下を覗くことも出
来ます。